【必見】子供がスポーツや習い事で上達をみせる親の育て方と考え方

2016年2月8日ペアレーチング

野球をするスポーツ少年団の子ども

こんにちは、メンタルトレーナーの葉月(@w_haduki)です。

今回のテーマは「スポーツや習い事をする子供の上達」についてです。

私はメンタルトレーナーとして、スポーツ少年団や中学の部活動で子供達のスポーツ指導に携わっておりますが、ずば抜けて上達を見せる子供達にはある共通点がありますし、逆に思うようなプレーが出来ずに思い悩む子供達にもある共通点があります。

それはいずれも「自己肯定感の高さ」に根本的な原因が隠れているということです。

自己肯定感とは言葉の通り「自分を肯定できる感情」のことを意味し、「自分自身を大切な存在だと認めることができる」心の状態で、子供達が健やかに育つためには絶対に欠かせないものになります。

逆に「自分を否定的に考えてしまう」心の状態を自己否定感と呼び、自己否定が強い子供達は自分に自信が持てないため、周りからどうのように見られているかを異常なほど気にし、他人の言動に過敏に反応してメンタルを乱れやすくしてしまいます。

この自己肯定感に問題がある場合、家庭環境に何らなの原因があるケースは多いですし、親が「子供のために」と思ってしている振る舞いが、不本意ながら子供の自己肯定感を低下させているケースがあります。

今回はこれらのことを踏まえ「子供がスポーツや習い事で上達をみせる親の育て方と考え方」について考えていきたいと思いますので最後までお付き合いいただければと思います。

子供の自己肯定感に関する調査報告

下のグラフは、ある地域で行われた「子供の自己肯定度などに関する調査報告」をもとに作成したものです。

子供の自己肯定度などに関する調査報告

子供の自己肯定度などに関する調査報告

  • 「あなたは自分のことが好きですか?」
  • 「あなたは人から必要とされていますか?」

と609人の子供達に聞いたところ、自分を好きだと答えた子供は、355人で半分以上ですが、残りの254人は自分を好きだと思えていないという結果が出ています。

この数が多いのか少ないのかは、人それぞれの価値観かもしれませんが、子供の心の成長において自己肯定感を育てるということが子供達の成長に大きな影響を与えるということは明らかですし、自己肯定感が高い子は前向きにどんどん新しい事へ挑戦し、技術面でも素晴らしい上達を見せてくれます。

子供の上達に影響する大人の関わり

サッカーをする少年

日本では昔から武道の世界において「心技体」の全てが重要だとされてきましたし、現在ではほとんどのスポーツにおいてメンタルトレーニングが重要とされています。

心の状態が良い時は「体」にも「技」にも良い影響を与えますし、逆に心の状態が悪い時は「体」にも「技」にも悪い影響を与え、本番で本来の実力を発揮できない状態をつくってしまいます。

それは全ての人が心を持つがゆえに起きてしまうことで、それに対するサポートができていなければ、「心」「体」「技」の全てが互いに影響し合って、体に不調を感じれば心と技に、技に不調を感じれば心と体に不調をきたすことになります。

つまり、スポーツの上達を目指すのに「心技体」全てを整える必要があるということで、それらに必要な「自己肯定感」「自主性」「自信」「意欲」などの核を親がつくってあげるサポートが必要です。

子供の可能性を狭める言葉かけ

バスケットボールの試合

私がメンタルトレーナーとして携わった中学の男子バスケットボール部に「試合では練習してきた60%程度の力しか発揮できなくて当然」だと選手へ伝える顧問の先生がいました。

私は顧問の先生に「たとえそれが統計的に出た数字だとしても、そのような伝え方はマイナスに作用することの方が多いため、そのような言葉は避けてほしい」と伝えました。

いかに最大限の力を発揮できるようにするかがメンタルトレーナーとしての役割だし、そのように指導する立場の人間が子供の限界を先に決めてしまえば子供達は本当に60%の力しか発揮できない選手になってしまいます。

そしてこのようは表現は、お父さんやお母さんにも同じことが言えます。

もちろん過度な期待や願望を抱かれることは、子供達にとって、精神的に大きな負荷がかかってしまう場合もありますが、子供に「ここまですればいいんだ」「自分にはこの程度しかできなくて当たり前なんだ」と思わせる言葉をかけてなりません。

ジュニア世代のメンタルトレーニングには、このように周りの大人の理解が必要となり、私たち大人も「考えることの大切さ」と「考えることの楽しさ」を学ぶ必要があるのではないかと思います。

限界の枠が広がれば可能性が広がる

次は私がメンタルトレーナーとして携わっていた中学女子バスケットボール部のお話しです。

彼女達は放課後の部活動で体育館が使えるのが2日に1回だったため、体育館が使えない日は外でのトレーニングが行われていました。

その中で子供達に「地獄のトレーニング」と呼ばれていたのが、グランドで行われる往復ダッシュでした。

顧問がタイムの課題を与えるのですが、女子はどうしても余力を残す傾向にあり、その結果にいつも顧問は納得いかない様子でした。

子供達からは「そんなタイムそもそも無理だし」と言う声も多く、本当にそこを目標にしている子はいないなというのが私の感じ方でした。

そこで私は、知人が外部コーチをしている中学女子バスケットボール部に合同練習をお願いし、両チーム共にいつもの往復ダッシュを行ってもらいました。

まず相手チームにダッシュをしてもらったのですが、そのタイムはこちらの顧問の先生が出した課題タイムよりも30秒も早いものでした。

私はうちの女子部員にそのことを伝え、いつも通りダッシュしたもらったのですが、多くの部員が自己ベストタイムの記録を出し、数名の部員が顧問が与えた目標タイムを達成しました。

実はそれに一番驚いていたのは、実際に走った本人達でした。

このようなケースからも分かるように、子供達が自分の限界を無意識のうちに設定してしまえば、このようなことが起こってしまうということなのです。

女子選手は余力を残すことが上手

今回のことからもよく分かるように、女子選手は「余力を残すことが上手」で、無意識に余力を残してトレーニングに取り組む傾向があります。

その逆に男子選手は、とことん自分を追い込むことができますし、「もうだめだ」「体が動かない」というオールアウトまで自分を持っていくことができます。

それは、メンタル面でも同じことが言えます。

女子選手が「もうだめだ!」というのは、単に心にブレーキをかけているだけで、実はもっと成果をあげることできるし、もっと体を動かせる状態であることも多くみられます。

2016年2月8日ペアレーチング

Posted by 葉月 愛