子供がレギュラーから外された時の声かけ|子供の思いと親のあり方
こんにちは、メンタルトレーナーの葉月(@w_haduki)です。
今回のテーマは 「子供がレギュラーから外された時の対応と言葉かけ」についてです。
スポーツをしている子供達が掲げる目標には「チーム目標」と「個人目標」の二つがあり、チーム目標には「県大会優勝」や「全国大会出場」などがあげられ、個人目標には「新しいことに挑戦するための課題」や「レギュラーになること」などがあげられると思います。
スポーツを始めた子供達にとって、レギュラーやスタメンに入れることは、誰もが掲げる目標のひとつではないでしょうか。
私も学生時代には憧れの先輩の背中を追いかけて奮起しましたし、実際にスタメンに入れた時は大きな達成感を得ることができ、何より自分を認められたことがとても嬉しくモチベーションが上がったことを今でも覚えています。
しかしそれと同時にレギュラーから外されてしまう不安と戦うこともありましたし、実際に外されてモチベーションを低下させてしまった時期もありました。
今考えると、レギュラーであることにこだわり続けて大切な何かが見えていなかったような気もします。
先日ある保護者の方から「子供がレギュラーから外されてどう対応するべきか悩んでいる」と言う相談メールをいただきました。今回はその相談をもとに「子供のレギュラー争いとスポーツをする意義」について考えていきたいと思いますので、最後までお付き合いいただければと思います。
子供がレギュラーから外されて悩んでいます(かなさんからのご相談)
うちの子は小学3年生から野球を始め、現在5年生になりますが、数か月前よりレギュラーから外されるようになりました。
決して下手ではないと思うし、他の子と比べて劣っていると思えるところもなく、本人も理由が分からずモチベーションが低下しています。
ちなみにチームメンバーは6年生が7人5年生が13人と下級生数名です。今はまだ5年生ですが、最上級生になった時、9人の中に入れなかったらと考えると胃が痛くなります。
だから息子には心を鬼にして、「レギュラーになる子はあなたの何倍も努力しているのよ。ゲームしてる暇があった自主練しなさい」「レギュラーから外されて悔しくないの?それなら野球なんてやめなさい」など声をかけていますが、息子は反抗的な態度をとるだけで私の言葉が響いている気配は全くありません。
「どうしたいの?」「どうなりたいの?」と聞いても「知らん」と言うだけで、最近は意欲も感じられず、親である私のほうがモヤモヤしている状態です。
野球を始めたばかりの時はあんなに頑張っていたのに、少しつまづいたくらいでって思ってしまう自分もいます。
もちろん息子にはこれからも頑張ってもらいたいと思っています。でも、どうやってやる気を出させたらいいのかが分かりませんし、どのように声を掛けたら息子は私の気持ちを理解してくれるか…。
葉月さん、何かアドバイスをいただけないでしょうか。よろしくお願いします。
子供がスポーツをする本当の目的とは
はじめまして。かなさんの辛いお気持ちはよく分かります。
子供を応援している親としては、お子さんの活躍を願うのは当然だし、せっかく応援に来ているのだから、お子さんがプレーするところを多く見たいですよね。
それだけかなさんが熱心にお子さんを応援している証拠だとも思います。
しかし、私からかなさんにひとつお願いがあります。
お子さんを「レギュラーになれるかなれないか」「試合で結果を出せるか出せないか」などの評価で、お子さんを責めたり、野球を取り上げるよな発言をしないでもらいたいということです。
少年野球は人数が少なくても戦力に欠けますが、多すぎてもレギュラー争いで大変な思いをすることがあるでしょう。野球は9人で戦いますが、代打や代走などを考えると 不要な選手なんて1人もいないのです。
ベンチにいる以上は自分の出番を期待して待つ、練習では自分の課題を一歩ずつクリアする力を培う、お母さんやお父さんにはお子さんのそんな支えとなってほしい思います。
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現状だけでネガティブになるのはNG
今の状態に「モヤモヤ」しているということですが、これは野球だけに限らず、スポーツ全般、小学生時代の経験はごく一部分でしかありません。
つまり少年野球でレギュラーになれないからといって、中学・高校でも花を咲かせることができないのかと言えば、決してそうではないということです。
今現在お子さんが辛い思いをしていることに間違いはありませんが、今現在の状況だけでネガティブ思考になってしまえば、これから先にある「未来の可能性」も摘んでしまう恐れがあります。
お母さんが今の状態に絶望的だったり、ネガティブになってしまえば、子供はそんなお母さんの思いを察知してさらに辛い思いをしなければなりません。
逆に言えば、 お母さんが前向きな考え方をすることで、子供にも良い影響を与えることができるということです。
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子供とのコミュニケーションを円滑にさせる方法
では次に子供が親に反抗的な態度をすることについてですが、これはどの親にとっても永遠のテーマですよね。
子供の心を安定させるためには親子のコミュニケーションが欠かせないことは確かですが、思春期を目の前にした子供に無理やり会話をしようと一生懸命話しかけても上手くいくことはあまりありません。
そもそも子供が意見を言わなくなったり、口数が減ってしまう原因に、自分の意見を伝えることに「不安」を抱いている場合があります。
かなさんのお子さんも「再び頑張りたい」という思いは持っているし、「意欲的に取り組みたい」という気持ちは十分にあるのだと思います。
しかしそれを伝えれば「じゃ、もっと頑張らないと」「そのためには何をしたらいいのか分かっているでしょ?」と次に言われることを察しているから、会話をすることをやめてしまうのかもしれません。
夢や希望を抱くことはとても素晴らしことだし、子供達を意欲的にさせてくれます。
しかしその裏で「不安」というストレスを同時に抱えていることも忘れないでください。
何かを手に入れれば、次にそのことを失ってしまうのではないかという不安が付きまとってくるものです。
親がその不安をさらに煽ってしまえば、子供達はさらに辛くなって心を閉ざしてしまいます。
「あなたは今のままでも十分に価値のある子」だと認めてあげることで、子供の心は安定して親子のコミュニケーションが上手くいくようになります。
私も息子たちが思春期の時期はコミュニケーションを取ることに苦労した記憶がありますが、今思えばそれは子供が成長している証拠だし、自分で考えて行動したいという思いがそのような態度に出ているのだと思います。
思春期を目の前にした子供には、その時その時の成長を理解しつつ、 親も子供に対する接し方を変えていく必要がある時期なのかもしれません。