子供の意欲を育てる親の共通点とは【必見】短所と長所の考え方

こんにちは、メンタルトレーナーの葉月です。

今回のテーマは「子供の意欲」についてです。

突然ですが、皆さんは夢を叶える子供の共通点って何だと思いますか?

  • 自分を奮い立たせる闘争心
  • 負けない強い心
  • 諦めない心
  • 努力を惜しまない負けん気

など、夢を持っている子供達にとってはどれも必要なものだと思いますが、それにはいずれも「意欲」が欠かせません。

「意欲」とは何かに積極的に取り組むことで、子供達がスポーツをするにも勉強をするにも意欲があるのとないのとでは、結果に大きな差が生じます。

そこで今回はある親子のケースを例にして「子供の意欲を育てる親の共通点」についてお話したいと思います。

今回のケースは私自身も勉強になりましたし、子供の意欲についてお悩みの方は最後までお付き合いいただければと思います。

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夢を叶えた小さなバスケットマンのお話し

バスケットをする少年の影

これは私がメンタルトレーナーとして携わっている、中学校のバスケットボール部に所属する男子生徒のお話しです。

彼は小学3年生からバスケットボールを始め、とても優秀な選手ではあるのですが、学業のほうはさっぱりでした。

それどころか、授業中の居眠りや提出物でも先生から頻繁に指導を受けるほどの問題児でした。

その男子生徒が中学2年生になった時、顧問の先生に「お前の目指している○○高校は、内申点が36以上なければスポーツ推薦で行くのは難しいぞ。たとえ、○○高校がお前をほしいと言ってきても、内申点が足りなければ、学校はそれをお前に伝える事もできないし、学校から断らなければならない。」と告げられました。

○○高校とは、彼が小学生の頃から通うのが夢だった、全国的にも有名なバスケットボールの名門校です。

勉強は苦手だけど、バスケをさせればエース中のエースと地元でも有名な選手。

だから自分はバスケさえ真面目に続けていれば、その高校に行ってバスケができるものだと思っていたのが、顧問の一言で覆されたのです。

それから彼は、夢だった高校へ進学するべく、大好きなバスケも苦手な学業にも真面目に取り組み、見事その高校へ進学することができました。

子供の意欲と親の支え

向かい合う親子

子供達を見ていると、この男子生徒ように「やる気スイッチ」がONになる瞬間がありますが、途中で挫折してしまう子供も少なくありません。

ところがこの男子生徒は、難しいであろうと思われていた目標(夢)を見事に達成することができました。

では、なぜ彼は挫折することなく、苦手だった勉強をここまで頑張ることができたのでしょうか?

それは、彼の持っている「自己肯定感」にありました。

自己肯定感がない子は、途中で辛くなってきたら「やってみたけど、やっぱり自分には無理なのかもしれない。」とすぐに諦めモードに入ってしまいます。

しかし、 自分に自信がある子供は、意欲的に道を切り開く力 があります。

やってみて全てがとんとん拍子に上手くいったから成功したのではなく、途中で辛くなっても、壁にぶつかっても「大丈夫!俺ならできる!」と前向きに考えることができるため進み続けることができたのです。

彼のお母さんもとても素晴らしい方で、親子関係はとても良好でした。

「あの成績で〇〇高校に行けるわけないわよ」「今から勉強したってね」「あの問題児が〇〇高校!?」と影で話す大人がいる中で、彼のお母さんだけは違いました。

決して「そんな夢みたいなこと言って」と鼻で笑ったり、否定的な言葉をかけたりせず、常に子供と同じ方向を向いて一緒に前へ進んでいました。

たとえ彼が転んでも、無理やり立たせようとはせずに一緒に立ち止まって、彼が助けを求めた時にだけそっと手を差し伸べてあげる、そんなお母さんでした。

私はそんな2人の姿を見て、彼の持つ自己肯定感はそんなお母さんによって育てられているんだな…と心が温かくなった事を今でも覚えています。

子供の意欲を育てる親の共通点

バスケットボールをする少年

私は彼のお母さんにこう尋ねました。

「なぜ息子さんはここまで頑張ることができたと思いますか?何か特別な言葉かけをしたんですか?」と。

すると彼のお母さんは、「特別なことしていませんよ(笑)。あの子は独立心が強い子だから、ただ応援していただけですよ。話をしてきた時には、最後まで聞いてあげていたくらいですかね。」と笑って答えてくれました。

でも意外と何もしないのって難しいんですよね。

親は先回りして子供の将来を考えてしまうため、子供が野望を抱けば「現実を見なさい」と言うし、子供が怠けているなと感じれば「もっと頑張りない!」「することをしなさい!」と叱るものです。

それが親というものです。

しかし、親であれば同時に子供達が今向かい合っていることや、努力していることを見逃してはいけません。

大人はつい結果ばかりを評価しがちですが、子供のプロセスに注意を向けて、 努力や取り組みを認めて伸ばしてあげることが最も大切なことなのです。

私はスポーツ少年団を通して様々な保護者の方を見ていましたが、伸び伸びとスポーツをする子供や、スポーツの上達が早い子供の親に共通していることは、 しっかり子供と向き合って、なおかつ見守る姿勢も大切にしているということだと感じました。

親の過干渉は子供の自主性や創造力を欠落させ、親の無関心は子供の自己肯定感を低下させてしまうのです。

親の理解が子供の意欲を育てる

活発で体を動かすことは大好きだけど、授業時間になれば落ち着きがなく勉強が苦手な男子生徒がいました。

お母さんは「このままではいけない!」と考えて、その子を塾に通わせようと考えました。

ところが友達と外で思いっきり野球やサッカーをして体を動かしたいのに、静かに座らされてしたくもない勉強をしなければならない、その男子生徒にとってはかなりのストレスです。

落ち着きがない子というのは、言いかえればエネルギーがあり余ってどうしようもないのです。

それだったら思いっきり好きなスポーツを習わせて、あり余っているエネルギーを発散させた方が男子生徒の持つ個性は伸びると思いませんか?

子供達は自分の持つ個性が伸びて自分に自信がつけば、自己肯定感の核ができ、何事にも意欲的に挑戦することができるようになるものです。

もちろん好きなことだけをやらせてあげるということが、個性を伸ばすということではありません。 「学校の宿題など、やるべきことはきちんとする」「先生の話はきちんと聞く」など、きちんと約束を交わすことが大切です。

苦手の克服よりも「得意」を伸ばすことの大切さ

喜ぶ中学生

子供達は新しいことを自分の脳や体に吸収していくことがとても得意です。そのため、海外へ住むことになっても、子供達はすぐに異国の言葉を話せるようになります。

このように「子供が大人の何倍も新しいことを吸収する能力が高い」ということは、皆さんもよくご存知だと思います。

しかし「苦手なものを克服する能力は大人より断然低い」ということは意外と認識されていないようです。

大人達が苦手なものを克服するとき、自分達が生きていくために必要となれば、モチベーションを保つことができるし、知識を身につける方法も知っているし、何よりお金も持っています。

ところが、子供には大人が持っている 「経験」「知識」「お金」がありません。

しかし、お父さんやお母さん達は「苦手なものは子供のうちに直してあげなければ」と考え、必要以上に叱り、その子の持つ個性や自己肯定感を摘んでしまっていることがあるのです。

子供の「苦手」を克服させてあげることも時には大切なことですが、それよりも大切なことは、子供の「得意」を最大限の伸ばしてあげることではないでしょうか。

子供の個性を長所にする

バスケットボールと思春期の子供たち

マイペースな子には「人に流されない強い意志」があります。

ところがお母さんは、周りの子と同じペースで進んでくれないことにイライラして「早くしなさい!」「どうして他の子と同じことができないの!?」が口癖だったりします。

しかし、子供達には「それぞれ生まれ持った特質」があるのです。

「今のままでは、この先あなたが困るのよ!」とお母さんに何度も言われ続ければ、子供は気がつかないうちにストレスを溜め込んでしまいます。

口うるさく言ってしまうお父さんやお母さんは、「親だから言っていい」「親だから言ってあげなければいけない」という考えを一旦捨てるべきかもしれません。

子供が持つ個性を短所と考えず長所と考え、お父さんやお母さんがどんどん伸ばしてあげることで、子供の可能性を広げてあげることができるのです。

考え方を肯定的なものにするには、発想の転換が必要となりますが、常に心がけていれば子育てをするのにプラスな影響を与えることは間違えありません。

まとめ

今回は「子供の意欲を育てる親の共通点とは【必見】短所と長所の考え方」についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。

自己肯定感は、運動能力や学力と違って子供だけの力で高められるのもではありません。

自己肯定感を育てるのに大きく影響するのが、親と周りにいる大人たちの言動です。

これを読んだあなたが、もしも「あら、私ったら…」と思い当たる点があれば、今日からお子さんにかける言葉に少し注意してみてください。

自己肯定感は子供の時期だけでなく、社会に出てからも必要とするものです。

自己肯定感さえ育てることができれば、これから立ちはだかる壁や挫折も、自分自身で乗り越えられることができるでしょう。