メンタルトレーナーの葉月です。
先日ある保護者の方から「手取り早く子供のメンタルを鍛えるにはどうしたらいいですか?」との相談をいただきました。
しかし…メンタルレーニングは日々からの積み重ねが大切で、そもそも「メンタルを鍛える」という発想が私はあまり好きではありません。
鍛えるとは「鉄などの金属を熱し、打って強くする。人に厳しい練習・修練をさせ、技術や心身をしっかりしたものにする。」ことを意味し、果たしてそれがジュニア期から必要なのか?という点にはとても疑問を抱いています。
スポーツをする子供達にとって1番大切な「安定」をないがしろにして、「メンタルを鍛える」ことに意識を向けてしまえば、子供は大人達のプレッシャーからメンタルを崩壊させてしまいます。
今回は「子供のメンタルの整え方」についてまとめましたので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
スポーツをする子供のメンタル強化と親の関わり方
スポーツはどの競技も例外なく「心技体」の全てが整っていなければ、最高のパフォーマンスを発揮することができないし、選手として大きな成長を成し遂げることができません。
そして心と体と技は全てがリンクし合っており、これらのバランスがとれていなければ、お互いに悪い影響を与えてしまうこともあります。
これは私が実際にスポーツの現場で実感したことなのですが、保護者の方がほんの少し子供に対する「視野」を広げ、子供の思考を「理解」してあげるだけで、子供達は驚くほどスポーツでも勉強でも上達を見せてくれます。
スポーツをする子供達にとって1番大切なことは、周りから得られる「承認欲求」と自分自身を大切に思える「自己肯定感」です。
これらの土台がきちんとできていないのにも関わらず「子供のメンタルを鍛える」という行為は、足し算や引き算ができていないのに掛け算や割り算を解かせようとしていることと同じで、つまり結果的に中々理解してもらえないし、結果につながりにくいということです。
子供が抱く不安や恐怖心の原因と親がしたい言葉かけ
メンタルトレーニングの主な目的は、本番で十分な実力を発揮することにありますが、ジュニア世代に行うメンタルトレーニングは周りの「理解」と「協力」がとても重要です。
特に小学生の子供達がスポーツを通して辛い経験をすることは、良くも悪くも今後に大きな影響を与えることがありますので、周りにいる大人達はしっかりと心のケアをしてあげることが大切です。
その中で一番意識してもらいことは、子供のメンタルは鍛えるのではなく「整えてあげる」ということです。
スポーツをする子供達にとって精神面で一番大切なことは「安定」と「安心」です。「負けん気」や「諦めない心」「強い心」はその後に付いてくるものだと考えてください。
スポーツを頑張る子供のために親ができること
親が子供の応援の仕方や守り方を間違えてしまうと、とんでもない行動をしてしまったり、子供へさせてしまったり…ということがあります。
皆さんは子供達がお父さんやお母さんへ何を望んでいると思いますか?
最近では「親は子供のメンタルトレーナーです!」などと書かれているネット記事や書籍などを見かけます。
もちろんお父さんやお母さんがメンタルトレーニングを学んで、子供のスポーツを応援することはとても素晴らしいことだと思います。
しかし、子供達はお父さんやお母さんに心を鍛えて欲しいと望んでいるのでしょうか?
もしも「メンタルトレーニングの効果が出ない」「うちの子はメンタルが弱くって」と悩んでいるとしたら、それは子供自身が望んでいることが別にあって、その「別のもの」が満たされていないからではないでしょうか。
子供の「自信」を高める親とそうでない親の言葉かけ
子供達は、親から「自信を持って!あなたなら大丈夫よ!」と言われ、コーチからは「自信を持て!お前ならやれる!」と指導され、子供達は「自信だ、自信。俺はやれる!俺は強い!」と自分に言い聞かせる。
この一連の流れは決して悪いことではありませんが、この言葉かけだけでは不十分だといえます。
子供達にとって試合に勝つことが何よりの自信となりますが、それまでには「十分に実力を発揮した自分」「目標を達成した自分」が必要で、その達成には「能力」「体力」だけでなく「メンタル面」での自信が必要になり、さらにそれらを得るためには、健全な体と心が重要になります。
スポーツをする子供の挫折
スポーツをしていると多くの子供達が味わってしまう「挫折」。
もちろん挫折から立ち上がるのは子供自身ですし、自分のするべき努力を続けるのも子供自身ですが、それらの原動力となるのは周りにいる大人達の「声かけ」にあります。
もしも「子供の挫折」について悩んでいるのでしたら、これから子供達が再び笑顔でグランドやコートに立てるように、子供達が再びスポーツと前向きに向き合えるように「子供の挫折と親のあり方」についてお話ししたいと思いますので、最後までお付き合いいただければと思います。