【心・技・体】スポーツを頑張る子供のために親ができること

2016年2月10日ペアレーチング

優勝して喜ぶ子供達

こんにちは、メンタルトレーナーの葉月(@w_haduki)です。

今回のテーマは 「スポーツを頑張る子供のために親ができること」についてです。

スポーツの現場には、選手・指導者・その他のトレーナー(スポーツトレーナーやメンタルトレーナーなど)・マネジャーなどが存在し、さらにジュニア世代のスポーツでは親の存在が大きな影響力をもたらします。

私は主に小学生から中学生のスポーツ指導に携わっておりますが、私が実際に選手・指導者・親と接するようになって感じたことは、プロ選手がしているメンタルトレーニングを子供達にそのまま真似させても上手くいかないし、いくら質のよいメンタルトレーニングを行っても、周りの大人達を含めてメンタルトレーニングを行える「環境」「準備」が整っていなければ結果がついてこないということです。

そしてジュニア期からその先につなげていくためには「スポーツをする意義や目的」を曇らせないようにしなければならないし、それを教えてあげるのは私達大人の役目だということです。

今回はその中の「お父さんやお母さんが子供のためにできること」についてを考えていきたいと思いますので、最後までお付き合いいただければと思います。

スポーツは心技体の全てが必要

水泳

スポーツをするうえで「心技体」のいずれかが乱れていれば「目標や夢を成し遂げることは難しい」ということを、指導者だけでなく、選手自身も保護者の方も日々の練習や試合の中で実際に感じているかと思います。

いくら負けん気や意欲があっても、睡眠不足やオーバートレーニングで体が健全でなければより良いパフォーマンスを発揮することはできませんし、いくら日々の辛い練習に耐えてもそこに心がついてこれなくなれば結果を残すことが難しくなってしまいます。

つまり、心と体がしっかりと結びついていないと結果を出すことはできないということです。

そこで本題の「お父さんやお母さんが子供のためにできること」ですが、私は主に以下の3つが重要だと考えています。

  • 食事管理
  • 体調管理
  • メンタルケア

いくらきつい練習を頑張っても、成長期の体にしっかりと栄養を届けることができなければ、疲労が蓄積されて怪我を招きやすくなるし、夜更かしばかりしている子供は成長ホルモンの分泌が低下し丈夫な体をつくることができません。

指導者には「スポーツをする意義と楽しさを教える役割」、スポーツトレーナーには「ベストパフォーマンスが発揮できるコンディション管理の役割」、メンタルトレーナーには「考えることの大切さや楽しさを教える役割」があるように、親にも「子供が安心してスポーツができる環境を整える役割」があるのではないかと思います。

親がするべき体調管理

バスケットボールの試合

子供達がスポーツをするうえで、健康状態が良好でなければならないことは説明するまでもないかと思います。

いくら練習を頑張っても、それに値した「体力」や「エネルギー」がなければ子供達の集中力は低下してより良いパフォーマンスを発揮することはできません。

私がメンタルトレーナーとして携わっているミニバスケットボールの選手でも、急にパフォーマンスの低下が見られるようになった選手がいました。

決してサボったり真面目にしていない訳ではないのですが、肝心な時にメンタルが乱れていつもはしないような判断ミスをしてしまったり、些細なことでイライラしてコーチに怒られたり、かと思えば急に楽しそうにテンションを上げたりと、とにかく「彼らしくないプレー」が見られるようになりました。

私はそのことを不思議に感じて、その選手のお母さんに「家で何か環境の変化がなかったか」を訪ねてみました。

するとお母さんから「いや、そんなことはないんですけどね…。最近はここでの練習が終わったら息子の希望で体育館を借りて自主練もしてるし、息子も主人も県大会に向けて気合い十分なんですよ。スランプか何かなんですかね…?」との答えが返ってきたのですが、さらによく話を聞くと中学受験に向けての勉強もあるため1日の睡眠時間は5時間程度なんだとかでびっくりしました。

彼のパフォーマンス低下はそれが原因の可能性が十分にあるため、子供達にとっていかに睡眠や栄養管理が大切かを伝えところ、さらに驚きの事実が分かり正直耳を疑いました。

それは「エナジードリンクを毎日飲ませているから大丈夫ですよ」というお母さんの言葉でした。

エナジードリンクはコンビニやスーパーで手軽に購入できるため、それほど危機感を持っていなかったのかもしれませんが、エナジードリンクを習慣的に飲み続ければ大人でも「動悸」「体の痺れ」「カフェイン中毒」などで体調に異変が生じるのに、それを毎日子供の飲ませるなんてもってのほかです。

その日のうちにその選手とお母さん、コーチの4人で話をして、子供の将来を守るために何を優先するべきかを話し合い、トレーニングや勉強と同じくらいに「休息」も大切にすることを決めることで、子供のメンタルの安定を取り戻すことができました。

今でも考えるのは、あの時点でパフォーマンス低下の原因に気づけていなければ、今頃子供はどうなっていたのだろうかと思うと、親が子供を守るための手段を間違ってしまうと、とんでもないことにつながるんだなとヒヤッとさせられます。

2016年2月10日ペアレーチング

Posted by 葉月 愛