スポーツ少年団では保護者の協力なしに活動してくことが難しいため、どうしてもコーチと保護者との関わり合いが多くなります。
そこでお互いにいい関係を築けることができればいいのですが、やはり人と人が関わるとどうしても出てくるのが「不満」や「不服」です。
特に子供のこととなれば、冷静な判断ができなくなってしまう親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん指導者として適切でない言動を繰り返す監督やコーチが存在することも事実ですが、とても誠実に子供達と向き合おうとしている監督やコーチもたくさんいらっしゃいます。
そこで今回は、スポーツを頑張る子供達のためにも保護者の方へ理解してもらい「コーチの事情」についてお話ししたいと思います。
保護者からコーチへ対する不満や悩み
まずはメールで寄せられました保護者の方が抱えているコーチに対する不満についてご紹介します。
スポ少の指導者は馬鹿なんですか?
私の息子が所属するミニバスのコーチは、子供を怒鳴りつける事でしか指導するすべを知らないようです。本当に品格のかけらもない。
子供達が調子のいい時は一緒になって大喜びし、子供達が失敗すれば大声で怒鳴りつける。そんな接し方でしか指導できないのです。正直言って、一緒のベンチにいるのも恥ずかしいです。(小6男子のお母さん)
他のチームの指導者に翻弄されるコーチ
私は小学5年になる娘の母親です。
うちのチームのコーチには、自分の恩師だと慕っているコーチがいて、そこのコーチの言う事は絶対で、その恩師とやらに指摘されれば、子供達の采配や練習メニューなども簡単に覆して子供達を惑わせます。
自分が指導するチームで、目の前にいるのは自分が指導している選手達。もっと自分の意思はないのかと呆れてしまいます。(小5女子のお母さん)
コーチングとペアレーチング
「子供達へきちんと指導しなければ」「子供達のメンタルと鍛えなければ」「子供達の競技能力を上げなければ」そんな思いから厳しく指導をしてしまう人がいます。
ただ、どんな理由があっても子供達へ暴言を吐いたり、暴力を振るうことは絶対に許されることではありません。それは間違えありません。
しかし、そんな環境をつくってしまう原因は、指導者であるコーチだけの問題なのでしょうか?
私がメンタルトレーナーとして携わっているチームで「うちの子は叩いても平気なのでどんどん鍛えてください」と指導者へ詰め寄るお母さんがいましたが、もちろん叩いたところでその子が強くなる保証なんてないし、お母さんの求めているものが手に入るとも限りません。
中には、スポーツ指導に直接口を出してくる保護者の方や、勝ちにこだわってコーチへプレッシャーをかけてくる保護者の方もいらっしゃいます。
チームは、選手・コーチ・保護者の全ての方がマナーを守り、信頼関係を築かなければチーム力を上げることはできないし、このような状態ではそれぞれが正しい判断で行動することは難しいのではないでしょうか?
コーチが抱えるプレッシャーや悩み
このサイトでも、「指導者の暴言や暴力問題」「子供のメンタルトレーニングの必要性」などをご紹介しておりますが、指導する監督やコーチにも「子供達に勝たせてあげたい思い」があることを忘れてはいけません。
暴言や暴力を使う指導者は、子供達が負う傷の深さを知らなければ、選手としての将来を左右することを知りません。
指導者へ采配や指導内容のクレームばかりを訴える保護者の方は、コーチがどのように悩んで頭を抱えているのかを知りません。
選手である子供達は、時にきつい言葉で正論を言ってくる親心を知りません。
そうなんです。人と人が信頼関係を築けないのは、相手の気持ちだけでなく、相手の事を理解しようとしないから、相手を責めることで自分をさらに正当化させようとしてしまうのです。
私はメンタルトレーナーとして様々なコーチと関わってきましたが、少なくとも私へ選手のことを相談してくるコーチは子供のことを本当に考えて指導にあたりたいと思っている方ばかりです。
親とコーチがもう少し理解しあえる関係を築けたら、子供にとっても素晴らしい環境が作れるのではないでしょうか。
まとめ
今回は 「スポーツ少年団で親が理解するべきコーチの事情」についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。
何か問題が起きる時というのは、多くの場合が様々な点で解決するべき箇所があるものです。問題のなすりつけ合いをしていては、チーム力をあげることはできませんし、何よりも子供達のためになりません。
親と指導者が理解し合って信頼関係を築くことができれば、子供達も存分に能力を発揮できるのではないでしょうか。