スポーツをする子供のメンタル強化に及ぼす大人達の影響とは

指導をうけるソフトボールをする少女たち

こんにちは、メンタルトレーナーの葉月です。

親や指導者の言動はスポーツをする子供達のメンタル強化に良くも悪くも大きな影響を与えます。

周りの大人達から掛けられた言葉が子供達の自尊心を育てることがありますし、逆に子供達の持つ創造力や自主性を摘んでしまうことがあります。

私がメンタルトレーナーとして携わっているクラブチームでも、そのようなことが問題視され、子供のメンタルトレーニングを行うことはもちろんですが、定期的に保護者の方や指導者の方へも「考えることの大切さと楽しさ」をお伝えして子供のメンタルケアのお手伝いをお願いしています。

今回は、ある研究者の方によって発表されたスポーツに参加する子どもを取り巻く親や指導者が子どもの心理的発達に及ぼす影響」について考えていきたいと思います。

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子供のメンタル強化とスポーツ参加の意義

スポーツ

ある研究から以下のようなことが評価され、スポーツ活動に関わる大人とのやり取りや関係性を慎重に検討することが必要だと報告されました。

・子どもの発達的特性を無視した過剰な練習や勝利至上主義的な指導によって身体的・心理的な損傷を負う場合があること

・親や指導者が自分自身の願望や夢を子どものスポーツ活動に託して子どもの成功をもって代理的にその願望や夢を叶えようとする「代理人による達成(achievement by proxy)」に気づかずに過剰な期待あるいは指導や応援をしてしまうこと

・スポーツ選手の燃え尽きや競技離脱などの臨床事例の背後に親や指導者との特異な関係性が認められること

参照:スポーツに参加する子どもの心理的発達に及ぼす大人の影響: その研究動向と今後の方向性

親の関りが深くなったスポーツ少年団

スポーツ

近年スポーツを習う子供が多くなり、スポーツを頑張る子供を支えたい、頑張る子供を応援したいという熱心なお父さんやお母さんも多くなりました。

一般的に、お父さんやお母さんあるいはお爺ちゃんお婆ちゃんがお子さんのスポーツに熱心なご家庭は、子供の競技能力が高かったり上達が速い傾向にあるのは確かです。

しかし、そんな子供の姿に期待して過度なプレッシャーをかけてしまえば、子供の成長を妨げてしまうことがあります。

それでは本末転倒で、子供もその可能性を摘んでしまった大人も一緒に辛い思いをしなくてはなりません。

もちろんそのような事態になることを誰も望むわけないのですが、気が付いた時には子供のメンタルがボロボロになっていたということも決して珍しいことではないのです。

子供のメンタルを乱す大人の存在

サッカーをする子供達

スポーツをする子供達は大人の言動でスポーツそのものに対して嫌悪感を抱いたり、自分自身に劣等感を抱いたりすることがあります。

周りの大人達から、他の選手と比べて劣っていると評価されたり、お前はダメな奴だと言われれば、子供達の自己肯定感は低下する一方ですし、そのことが原因でスポーツを楽しめなくなり、やめてしまいたいと思うこともあるでしょう。

その原因をつくってしまうのは、お父さんやお母さんに限ったことではありません。子供達がスポーツをするうえで、さらに深い関りを持つ指導者の言葉かけも例外ではないのです。

子供達にとって指導者は、絶対的な存在で「指導者の持っている価値観をそのまま受け入れる傾向が強い」ということが分かっています。指導者する者はそのことを十分に理解し、自分の立場の重大さを理解する必要があると言えるでしょう。

ダメな指導者の特徴は言葉かけにある!選手と信頼関係の築き方
選手と指導者にとって「信頼関係」と「コミュニケーション」はチーム力を向上させるうえで絶対に欠かすことはできません。

子供達への言葉の伝え方

バスケットボールの試合

子供が試合で勝った時に、お父さんやお母さんが一緒に喜んで褒めてあげることはとても大切なことですが、負けた試合の後や失敗した試合の後で何と声をかけてあげるかということは、さらに大切なことだと言えます。

それは悪いところを指摘するということではなく、たとえ失敗に終わっても子供が挑戦したこと褒め、努力したことなどの過程に関して評価をあげることが大切なのです。

  • どうして同じミスを何度も繰り返すの?
  • コーチにもっとやる気を見せないとレギュラーになれないわよ
  • もっと体力をつけなきゃ!話はそれからよ
  • もっと強気でいかなきゃ勝ってこないわよ
  • 気持ちで負けてるのよ
  • もっとボールに執着しなきゃ

など、大人は子供達よりも知識や経験が多いため、伝えたいことがたくさんあると思います。

しかし残念ながら子供達が情報を受け取れる量は決まっているのです。

そのため大人が伝えたいことを全て伝えているうちは、自分の伝えたいことを一方的に話しているだけで、それは会話をしているとは言えませんし、子供に全てが伝わっているかと聞かれればそれは間違えなく「NO」です。

そのため、あれもこれも伝えるのではなく、子供が前へ進めるための言葉を意識して伝えることが重要だと言えます。

それは、欠落している部分への指摘ではなく、子供が今頑張っていること対するエールだということをもう一度念を押してお伝えしたいと思います。

【心・技・体】スポーツを頑張る子供のために親ができること
親子で同じ夢に向かって進んで行くことはとても素晴らしいし、何よりも子供達にとって親は「一番のサポーター」であるべきだと思います。 しかし子供への希望や期待が大きくなりすぎてしまえば、プレッシャーになってしまったり、子供の負担になってしまうことがあります。

まとめ

今回は「スポーツをする子供のメンタル強化に及ぼす大人達の影響とは」についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。

子供達がスポーツをするうえでも、学校生活を送るうえでも「自己肯定感」「自主性」「創造力」必要不可欠なものです。

その三本柱を大人達の言動が簡単に削ってしまうということを私たち大人は忘れてはいけないと思います。