子供がクラブチームやスポーツ少年団(スポ少)に所属すると、親が抱える問題のひとつに「親同士のつきあい」があげられます。
「みんなで仲良く遊ぶのよ」「お友達には優しくするのよ」「自分が嫌なことは人にもしちゃダメよ」「お友達をいじめちゃダメよ」と子供達へ教育する立場の親が、その子供達が頑張っているスポーツの現場で真逆のことをしているのですから目も当てられません。
もちろん普通であれば、トラブルやいじめ問題にはできるだけ関わりたくないでしょうし、それは皆さん同じだと思います。
しかし、日常生活の中に不満や不安などを抱えている人は、時に人との関わり方を間違えてしまうことがあります。
今回は、そのようなトラブルを事前に回避するために 「親のいじめトラブルに巻き込まれない心得」について考えていきたいと思います。
親同士で起こるいじめの特徴
スポ少やクラブチームで起こる親同士のいじめ問題には特徴があり、子供のレギュラー争いやコーチのひいきなど自分以外の問題で起こるケースが少なくありません。
子供絡みで親が抱く「妬みや嫉妬」は時にとんでもない行動にさせてしまうことも。
人は自分に共感してくれる人や同じような立場に置かれている人を味方と判断し、自分を批判する人を敵と判断することがあります。
そのため、何気ない一言がいじめのきっかけとなることもあるし、自分の考えに賛同してもらえなかっただけで距離を置かれたり、陰湿なケースだと無視や仲間はずれに発展することもあります。
このような場合、相手の考えを変えてもらうことは中々難しく、それよりも自分の行動や考え方を変えて相手と接する方が上手くいくケースは少なくありません。
親のイジメが子供に及ぼす影響
「この人苦手だな…」と思う人と無理に仲良くする必要はありませんが、子供がスポ少に所属していればよそのママからお世話になることもあるので、みんなと平等に仲良くするのが理想です。
もちろん派閥やイジメなどでチームの雰囲気を悪くしてしまうこともあってはなりません。
敏感な子供だとその悪い雰囲気に勘づきますし、親同士の仲が悪いと分かれば子供の心境としては決して気持ちの良いものではありません。
私が知っている選手の中には、親同士の派閥が原因で、練習や試合に集中できずパフォーマンスに悪影響を及ぼしてしまった子もいました。
そうなってしまえば、スポ少が誰のために何のためにあるのか分からなくなってしまいます。
では具体的に「どのような付き合い方をすれば良い付き合いができるのか」について考えていきたいと思います。
選手のことを良くも悪くも言わない
ママ達は子供達に対する評価にとても敏感です。そのため特定の選手を良く言うことも悪く言うこともやめておいたほうが無難だと思います。
いくら上部では「チーム全体」を応援していると言っても、ママ達の基本は我が子が一番です。
そのため、特定の選手をべた褒めして、ポジションが同じ選手のママや立ち位置が近い選手のママがその場にいると「は?うちの子より優れているってこと?」などと反感をかってしまうケースがあります。
例えば「最近○○君頑張ってるよね!今度の試合はレギュラー間違いないね!」などのように、采配のこともあまり口にしない方がいいでしょう。
レギュラーに入れる子がいるということは、レギュラーから外される子がいると言うことです。
レギュラーから外されるかもしれないと不安に思っているママが聞くと「何?それうちの子に対する嫌味なの?」と悲観的にとられることもあります。
このように親たちの中には子供のレギュラー争いに敏感になっている方もいますので、発言には十分注意が必要です。
聞き役に徹する態度とNOと言える勇気を
何に対しても曖昧な人や、逆に自己主張が強すぎる人はどうしてもトラブルに巻き込まれやすくなってしまいます。
今ではSNSで連絡を取り合うことが当たり前になっている時代。家に帰ってもママ友のグループLINEが鳴り止まないという話はよく耳にします。
その都度まともに会話をしていたら、いずれは意見の食い違いでトラブルに巻き込まれるリスクを高めてしまいます。
頼まれごとやお誘いなどで断りたい時はハッキリ「NO」と断る姿勢と、ママ友同士で会話が弾んでいる時は聞き役に徹することがトラブルを回避するためには必要な場合もあるでしょう。
感謝の気持ちを忘れずに
人と人が気持ちよく付き合っていくうえで、絶対に欠かせない言葉があります。
それは「ありがとう」という感謝を表す言葉です。
お子さんがクラブチームやスポ少に入部していれば「ついでだから…」とよそのママにお世話になることがあると思います。
それは送迎の時もあれば、差し入れや捕食をもらったり様々な場面が想定されます。
人は親切にされることには慣れてしまうけれど、自分が親切にすることに関しては慣れないし、見返りでなくとも「お礼の言葉」がなければそれが不満へと変わってしまいます。
それは相手がいい人そうに思えるママでも例外はありません。
いつもお世話になっているママ達には数百円のクッキーなどで構わないので、たまに感謝の気持ちを添えてお礼を渡すと円滑に付き合いができるでしょう。
特定のママ友とばかり付き合わない
女性はすぐに特定の人を集めてグループをつくりたがる傾向にあります。
そうなる理由は、それぞれがそれぞれの居場所を見つけて「味方同士」だと安心するためです。
その中で平和な付き合いをしていくことができれば問題ないのですが、何気ない一言で傷つけたり、傷つけられたり・・・。
特に子供のことで否定的なことを言われた場合、 母親は自分のことを言われた時よりも傷は深くなり、相手に苛立ちや不信感を抱いてしまいがちです。
その際に、ママ友同士の付き合いの幅が狭ければ、ずっとそのことを引きずりながらその場にいなければなりません。
しかし、色々なママ友と満遍なく付き合って幅を広げることで、気持ちを切り替えることができ、イライラしり、感情を乱さないですみますし、そのママ友の言ったこともさほど気にならなくなります。
ママ友とのお付き合いの原則は「広く浅く」です。
「狭く深く」の関係性を築いてしまうとそのうち窮屈な思いをしたり、感じなくてもよいストレスを抱える羽目になってしまいます。
自分から心を開くことも大切
何か悪いことをしたわけでないのに、新参者には敵意むき出しのママがいますが、それって単に「ここでは私が一番偉のよ」ってアピールしてるだけだったりするんですよね。
その人の何がそんなに偉くさせてしまっているのかは様々ですが、保護者会長やエース選手のママに多く見られます。
でもそんなボスキャラママって一度仲良くなったら意外と「な~んだ、全然怖くない、めっちゃいい人じゃん!」ってなることが多いんですよ。
だから仲良くなりたければ「思い切って話しかけてみる」ってのは効率的な方法です。
会話なんてなんでもいいんです。 「私はあなたの敵ではありませんよ」「あなたの立場を脅かすようなことはしませんよ」って相手を安心させ、相手が共感してくれそうなことを話せばいいのです。
例えば、その親の子供の話でもいいです。「○○君、本当上手!学校でも絶対にモテるタイプですよね!」など、相手ママの口角が思わず上がりそうな言葉をかけてみましょう。
子供のことを褒めてもらって不愉快になる親なんていません。しかも、その親も満更ではないような内容が距離を縮めるには効果的ですね。
コーチとの距離感を考える
コーチと上手にコミュニケーションをとることはとても大切ですが、度が過ぎれば周りのママ達から「女を売ってる」「媚びている」など言われる可能性もありますので、バレンタインやお中元・お歳暮は控えた方が無難です。
純粋にお世話になっている感謝の気持ちを伝えたいという思いから贈り物をしているのでしょうが、周りから見れば「自分の子を試合で使ってもらいたいから、目をかけてもらいたいから媚びを売っている」というように見られてしまうのです。
最後に
今回は 「親のいじめトラブルに巻き込まれない6つの心得」についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。
大人になった女性がいじめの対象にする人って、子供の頃とは少し違い、自分より優れていると感じる相手、自分が劣等感を感じる相手をいじめの対象とする傾向があります。
それは「妬み・嫉妬」の感情がそうさせてしまうんだと思います。
自分のよりも劣っているなと感じる人は最初から相手にしませんし、よほど目立った行動をしない限りはいじめの対象にはされません。
いじめをするような人には、劣等感を抱かせずに、勝手に優越感を感じさせた方が利口だってことです。
スポ少のママ友の世界ってとても小さな世界だと思います。だからこそ上手く付き合っていかなければ、ストレスで心をダメにしてしまいます。
距離感を上手に保ちながら、基本は笑顔でにこやかな対応を心がけるようにしましょう。
相手を変えるよりも自分を変える方が断然楽なのです。