試合中の言葉かけ|指導者の意識次第でチームは必ず強くなる!

2018年11月5日コーチング

試合中に選手がミスをした時のメンタルケア

試合

選手のメンタルが最も乱れる時は「ミスをしてしまった時」「指導者に怒られた時」「ピンチになった時」だと思います。

そして選手がミスをした時に見かける光景が、指導者が怒鳴ったり、浮かない顔をする光景です。

先日に行われたバスケの試合会場では、相手チームの指導者がパスミスをした選手に対して「何やってんだよ〜!?」「おい!無視か!?何をやっているのか聞いてんだよ!お前は言葉も話せないのか!?」と怒鳴っていました。

それは実に残念な光景でした。

私は選手と指導者にはそれぞれの役割があると思っています。

選手はコートやグランドで誠心誠意試合へ挑むことが大切な役割ですし、指導者はその選手への技術指導が主な役割です。

しかしこちらのコーチは、自分の怒りや感情を言葉で吐き出してるに過ぎません。

それに対してパスミスをした選手は、再びコートで自分の役割を果たそうと体を動かしていたのですから、そちらの方が真っ当です。

何より試合中のミスに対して1番落ち込んでいるのは選手本人ですし、選手のミスを責めたところで、ミスがなくなるわけでもありません。

むしろ選手のメンタルを乱し、試合はさらに悪い状態となってしまいます。

もしも選手が間違った動きをしてしまっているのなら、そこは冷静に指導をするべきだし、ミスをした場合は「今から何をするべきなのか」をシンプルに伝えてあげることではないでしょうか。

選手のメンタルが乱れた時の対処法

サッカーの試合

試合では練習の中では予測できなかった「想定外の出来事」が多く起こります。

その中で選手たちが流れをつかむことができなければ、慌てふためいたり、判断力や集中力を低下させてしまうことがあります。

よく「平常心でプレーしろ」このような、分かったようで分からない精神論を子供へ伝えても、それが子供達のメンタルを安定させることはありませんし、むしろ「平常心を保たなければ」と曖昧な意味を理解した気になってそこに意識を持っていかれ、結局そのことがマイナスに作用することも少なくありません。

心を安定させるために思考を変えることは大切ですが、試合中はもっと明確にしてあげることの方が子供に伝わりやすくなりますし、結果につながりやすくなります。

それは「思考」ではなく「行動」を変えさせるということです。

失敗して下を向いて猫背になっている選手には「自信を持て」ではなく「胸を張ろう!」と伝え、集中力や判断力が低下している時は「声を掛けあおう!」と伝え行動を変えさせてあげます。

思考と行動はリンクしていますから、行動を変えることで思考が変わり、本当に自信があるような気になったり、集中力や判断力を高めることができます。

アンフェアだと感じた時の対処法

バスケットボールの試合

試合は一人でするものではありません。戦う相手チームがいて、試合をジャッチする審判がいます。

相手チームの中にはフェアプレーをしない選手がいたり、公正なジャッチをしてくれない審判に当たることもあるでしょう。

しかしその環境を変えることは難しいのが現実です。

審判のジャッチに不満を持った選手が不機嫌にプレーをしている光景を見たことがありますが、実にもったいない話です。

この時、選手の脳は間違いなく「不快」になっているわけで、そうなったきっかけは「審判のジャッチ」かもしれませんが、不快スイッチが入ってしまった本当の原因は「誰も分かってくれない」と自分を受け止めてくれないことに対するものだと考えられます。

例えばこの時に指導者が「今日の審判は確かに納得いかない部分があるよな。俺だってお前と同じ気持ちだ。でもどうやっても審判は変えられないよな?だからやっぱり自分達にできることを頑張るしかないんだ。」と選手の気持ちを受け止めてあげることで、選手は落ち着くことができるでしょう。

このように選手は、今の環境に「分かってくれる人がいる」と思えば安心してプレーができますし、メンタルを乱すことなく試合へ集中することができるでしょう。

言葉が持つ力

選手の思考を変えるには行動を変えることが効果的だとお話ししましたが、これ以外にも言葉が持つ力を活用する方法もあります。

それは「お前なら大丈夫だ」という言葉です。

信頼しているコーチからの「大丈夫」は子供達にとって大きな力となるし、「不安」や「恐怖」を和らげて前へ進める力を与えてくれます。

最後に

今回は指導者の言葉かけについてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。

子供達のメンタルを強くするために「根性論で鍛える」という時代はもう終わりました。

そのような方法で一時的に結果を残すことができても、選手である子供達が失うものはたくさんあるのです。

子供やチームを強くしてあげたい思いは、どの指導者の方も同じなはずです。

スポーツ少年団やクラブチーム、学校の部活動でも、大人達が意識を変えることで子供達の可能性はもっと大きなものになるのではないでしょうか。

2018年11月5日コーチング

Posted by 葉月 愛