スポーツをする子供が心を強くして挑戦する力を育てる方法

2019年2月21日コーチング

バスケットボールの試合

こんにちはメンタルトレーナーの葉月です。

時代の変化は「いい意味」でも「悪い意味」でも子供達の成長過程に大きな影響を与えるようになりました。

今はとても便利な世の中で、ネットやメディアなどを通じて様々な情報収集ができますし、分からないこともスマホやパソコンで簡単に検索できるため、「分からないことを分からないまま」にせずにすむ時代となりました。

しかし昭和世代に育った大人達が「今の子供達は気持ちが弱い」「今の子供達は根性がない」と嘆く場面も多くみられます。

そして大人達はそのことを子供達やその親に原因があるように嘆くわけですが、その根本的な原因の多くが「日本の環境」にあるため、その問題点に対する対応をする必要がありますし、そうでなければ子供達を守ってあげることはできません。

今回も小学生にバスケットボールを教えている指導者の方から「子供の心を強くしたい」「子供の挑戦する力を育てたい」という切実な思いの相談メールをいただきましたので、こちらでご紹介すると同時に 「スポーツをする子供が心を強くして挑戦する力を育てる方法」について考えていきたいと思います。

子供達はどうして挑戦することをやめてしまうのか バスケットボールコーチからのご相談

私は小学生の子供達にバスケットボールを教えています。私は指導者を始めてから15年目になるのですが、15年前の子供達と今の子供達を比べても、心の強さに大きな差を感じることが多々あります。

私は子供達にもっと攻め気で戦ってほしいのですが、今の子はどうも消極的で、自分達がどのように戦っていきたいのかの意思表示すらできない選手がいます。

私はなんとか子供達に「負けん気」や「やる気」をもっと表に出してほしくて「チャレンジを恐れるな!」と言っているのですが、どうしても心が折れてしまうようでチャレンジすることを途中でやめてしまうのです。

先日の試合でもフォワードの選手に、今日は外からのシュートではなく、中に入り込んでからシュートにいけと指示を出したのですが、数回失敗して心が折れたのか、挑戦することから逃げてとりあえず外からのシュートを打ってばかりでした。

そして私は、今日はもう無理だと判断して、その選手を試合から外し、自分の何がいけないのかをきちんと考えるように伝えました。

私は最近自分の指導のあり方に悩むことが多々あり、コーチングの本を読んだり、メンタルトレーニングの本を読んでいるのですが、何が正しくて何が間違っているのかが分からなくなってきました。

そんな時に葉月さんのサイトを拝見し、大変興味深く感じたため、何かご教授いただければと思いご連絡させていただきました。

葉月さんのサイトで「試合で勝つためのイメージトレーニング方法」を見つけて子供達にもさせてみたのですが、正直効果が実感できません。

もしかしたら、それ以前の問題で私がするべきことがあるのではないかと感じるようになり、よろしければ何かアドバイスをいただけないでしょうか。

昭和と平成の違いとは

相談者さんのお気持ちはよく分かります。

スポーツをする限りはプレーに貪欲になってほしいし、「負けん気」や「やる気」を起こして何事にも前向きに取り組んでほしいというのは、指導者の方の切なる願いだと思います。

そして「今の子供は気持ちが弱い」ということは、確かにある意味正解だと思います。

もちろん「負けん気」「やる気」「折れない心」「諦めない心」をしっかり持って、目の前のプレーに集中して自分の納得いく結果を残せる子供達も多く存在するのですが、そうでない子供達の方が目立ちますよね。

では、子供達がそうなってしまう原因は何かって話ですが、それは「自己肯定感の低下」が大きく影響していると考えられます。

そして子供達の自己肯定感が低下する根本的な原因が「核家族化」や「ご近所づきあい」にあります。

現在の子供達は身の安全を守るため「知らない人について行ってはダメよ」「知らない人に話しかけられても何も答えちゃダメよ」と幼少時代から先生や親から言い続けられ、ご近所のおじさん・おばさん、お爺ちゃん・お婆ちゃんとの交流が遮断される時代となりました。

もちろん「子供達の身の安全」を優先すると仕方のないことかもしれませんが、昔は親に叩かれても、親から否定的なことを言われても、極端な話だとネグレクトや虐待を受けていたとしても、近所に住むお爺ちゃんやお婆ちゃんが「腹が減ってんだろ?これ食べな。」と優しく声をかけてくれたり、「本当のあんたは素直で優しい子なんだよね。ありがとう。」「本当に良い子だね。」「90点も取ったのかい?すごいね!頑張り屋さんだね。」と家の外にでも自己肯定感を育ててくれる場所がありました。

そしてその自己肯定感が子供達の「前向きに頑張る力」と「安定したメンタル」を育ててくれるのですが、今はそのような場所もなくなってしまいました。

自己肯定感とは「自分のあり方を積極的に評価できる感情」「自らの価値や存在意義を肯定できる感情」などをさし、このような感情がなれけば自分に自信を持つことができないし、何かを成し遂げるために必要なチャレンジ精神や負けん気を持つことができなってしまいます。

つまり今の子供達が自己肯定感を育てる中で、子供と触れ合っている少人数の大人の影響力は昔よりも遥かに大きいということです。

2019年2月21日コーチング

Posted by 葉月 愛