涙を我慢して強くなれるのか?ミニバスで起きた暴言・暴力問題

2019年4月2日コーチング

バスケットボールの試合

メンタルトレーナーの葉月です。

最近ではJBAのルール改正に伴い、「指導者の振る舞い」が更に問題視されるようになりました。

こちらのサイトでも、今回のルール改正(コーチのテクニカルファウルについて)で子供達の目標や夢が守れるのかということについてお話しましたが、やはり表面的なアプローチだけでは、本当に意識改革する必要がある指導者の方には伝わっていないのかなと思う出来事がありました。

今回はその出来事から「私達大人が子供のために改めるべき点」について考えていきたいと思いますので、最後までお付き合いいただければと思います。

「泣くなら帰れ」の指導は正しいのか?

私がメンタルトレーナーとしてミニバスの練習試合に同行した時のお話です。

私は、よそのチームではあったのですが、いつも前向きに取り組む小学5年生(新6年生)の男の子が好きで、陰ながら追っかけている男の子がいました。

今日はそのチームも練習試合に来ると聞いて、どれほど彼が成長しているかを見るのが楽しみでもありました。

彼のポジションは1番ポジションで「ポイントガード」でした。私は去年の夏から彼の成長を見てきましたが、とにかく猪突猛進で、自分よりも大きな選手にも動じることなく、自分がするべきプレーを着実にこなしていく、そんな選手でした。

私はその少年のプレーを見るのは半年ぶりで、とてもワクワクしていたのですが、その少年の雰囲気は以前と違い、よく言えば「緊張感を持っている」、悪く言えば「ビクビクしている」そんな様子が伺えました。

そして試合開始から1分も経っていない状態で、少年はコーチから「こら、弱虫が!お前それでも6年生になるんか!?」との怒鳴り声が…。

昨年までは5年生だったということもあってか、伸び伸びとプレーをしていた印象があったのですが、最上級生になって「責任」という言葉がのし掛かったのか、その少年を目には見えない何かが重くのし掛かっている印象が強く感じられました。

そして、相手チームのディフェンスの方が一歩上手で、その少年はコーチの望み通りにボールが運べず、怒鳴られ続けてチームも敗退。試合後その少年は、体育館裏で1人泣いていたのですが、その姿をコーチに見つかって「泣くなら帰れ!弱虫はいらん!」と怒鳴られ、午後からの試合には出してもらえませんでした。

「やる気がないなら帰れ!」「泣くなら帰れ!」の言葉は私自身も選手時代に言われたことがありますが、このような言葉はコーチが選手を思って掛けている言葉と言えるのでしょうか?

そしてメンバーから外すという「罰」は、選手に奮起させたり、意欲を沸かせることに有効な方法だと言えるのでしょうか?

SNSでのご意見

今回の出来事に関して、スポーツ指導者の方やバスケット関係者の方からSNSでご意見を頂きましたので、まずは皆様のご意見をご紹介したいと思います。

・僕も小学生の頃、泣くなって蹴られました。なんでも、悔しくて泣くと、悔しさがなくなるという超理論でした。弱者に対して権力かざして気持ちがいいんですかね…。

・泣くなら帰れ…ですか?その選手は悔しかったんじゃないですかね?助けてあげるのが指導者じゃないですか?もういい加減改めましょうよ。指導者として。相手の力量がある時こそ、いろんなチャレンジがありますから、指導者にとっては何毎回の1つかもしれませんが、選手にとっては大事な時間なんですから、そこを理解して欲しいですね。

・みんな良かれと思って行き過ぎた指導や関わりをしていて、大人が気が付いていないんですよね。私は教育も指導も人から人に教える時代は終わったという見解に賛成です。いかに教えないで自分で考えて行動させるか!あらゆる面で大人が子離れをしないとっていう課題があると思います。

・試合中に泣いたらみんなに迷惑かかるし試合にならないから「泣くな、頑張れ」って言うけど、試合終わって泣くのって悔しいからで、起こることじゃないと思うけどね。

2019年4月2日コーチング

Posted by 葉月 愛