低身長の原因となる病気のなかには、適切な治療を受けることによって成長を促すことが可能なケースがあります。
治療の方法は原因によって異なりますが、子供の成長を妨げる原因が病気にある場合は、その病気の治療と共に、不足している成長ホルモンを体外から注射によって補う必要があります。
そしてその治療を受けるにはまず検査をして体の状態を調べる必要があります。
一般的には「小児内分泌科」にかかる必要がありますが、どこにでもこの専門医がいるわけではありませんので、まずはかかりつけの小児科へ相談するといいでしょう。
低身長に対する検査
まず最初に行われるのは問診です。
生まれた時の状態や今までの病歴、現在の身長・体重測定などから成長障害の原因に関する情報を得たり、レントゲン検査や血液検査で体の状態を調べます。
これによってホルモンの分泌状態に問題があると判断された場合は更に詳しくい検査するため「成長ホルモン分泌刺激試験」という検査を行います
その結果成長ホルモンが全く分泌されていない、もしくは分泌されていても基準値以下であった場合に治療の対象となります。
低身長の治療
成長障害に対して治療の対象となった場合は寝る前に成長ホルモンを自己注射をします。
この治療を開始して最初の1年で身長が急激伸び、2年目以降は緩やかな伸びになります。
この治療を早い段階から開始することができれば、低身長の子でも他の子供と同じような身長まで伸ばすことが可能なのですが、「低身長=病気」という考え方がまだまだ一般的でないため、治療に入るのがある程度年齢が進んでからになってしまうというのが現状です。
この治療は保険が適応されますし、早めの治療がより効果的ですので、周りいる同い年の子供と比べて小さいと感じたら早めの受診をおススメします。
POINT身長が伸びるのは骨が成熟するまでの間になります。そのため成長ホルモン治療による効果が期待できるのも男子で17歳、女子で15歳くらいまでとされています。また、低身長に対する治療は3歳から始めることが可能です。
身長を伸ばすサプリメントについて
子供の身長が思うように伸びず、体育で並ぶ時もいつも一番前・・・。
特にスポーツをしている子供にとっては大きなコンプレックスになる場合もあるでしょう。
最近では「身長を伸ばしてくれるサプリメント」が世にたくさん出回っています。
皆さんも身長を伸ばしてくれる 「アルギニン」という物質の名前を聞いたことがあるのではないしょうか。
確かにアルギニンは成長ホルモンの分泌に欠かせない非必須アミノ酸のひとつではありますが、一般的に販売されているサプリメントに配合されているアルギニンを口から摂取した場合、血液中に残るのはほんのわずかな量で、これらが成長ホルモンの分泌に大きな手助けになってくれるとは考えにくいものがあります。
このようなサプリメントは小児科内分泌学会でも効果がないという公式見解を発表しています。
ネットで簡単に手に入るからと安易に手を出すのはやめておいた方がいいでしょう。
成長ホルモンを促す方法は?
大人でも子供でも健康的に生活をしていくためには 「規則正しい生活」が一番です。
これは体の成長のためだけでなく、心の安定のためにも大切なことです。
では規則正し生活は何なのといえば「食事」「睡眠」「運動」です。
この3つは全く別の動きになりますが、起きている間にきちんと朝・昼・夕ときちんと食事をとれていなければ質の良い睡眠がとれませんし、質の良い睡眠がとれなければ、朝食をきちんと摂ることができなかったり、日中は頭がぼーっとして勉強や運動にも身が入らないという悪循環を生んでしまいます。
その結果成長ホルモンの分泌を悪くしてしまうというものです。
しかし現代の子供達は、学校に加え、習い事や塾などでベッドに入る時間が遅くなることもあるかと思います。
中学生や高校生になれば宿題や部活、習い事などがあって8時間以上の睡眠時間を確保することはそう簡単ではないでしょう。
それでも「何とか8時間は寝なければ!」と時間に追われてせかせかするのも親も子もストレスでしかありません。
ですので、遅い時間になるにしてもできるだけ決めた時間に寝て起きるという習慣をつけ、最低でも6時間は睡眠時間を確保するようにしましょう。
毎日一定に時間に起きることを習慣づけるようにすれば、6時間睡眠でもきちんと疲れを取り除くことができると言われていますので、できれば学校がお休みの週末もダラダラ寝ずにいつもの時間に起きることが大切です。