ウォーミングアップは「練習や試合でよいパフォーマンスを発揮する」「怪我を予防する」といった目的で行われ、クールダウンは「運動後に適した状態にする」「筋肉の疲労を回復する」といった目的で行われます。
子供達がスポーツをするうえで、怪我を100%防ぐことはできませんが、怪我の原因を最大限に取り除き、怪我のリスクを下げることはできます。
今回は「スポーツをする子供の怪我を予防|ウォーミングアップとクールダウン」についてお伝えしたいと思います。
ウォーミングアップの目的と効果
ウォーミングアップの目的と効果としては、以下のようなことがあげられます。
・怪我の予防
・体温を上げる
・筋肉の柔軟性を上げる
・関節の可動域を広げる
・アドレナリンの分泌
・パフォーマンスの向上
体温を上げることで、筋肉の柔軟性が高まり、筋肉がスムーズに収縮するようになります。
その結果、怪我のリスクを下げてくれるだけでなく、パフォーマンスの向上にも効果を発揮してくれます。
ウォーミングアップの方法
まずはウォーキングから始め、軽めのランニングへと移ります。そして動的ストレッチを行い心拍数を高めていきます。
動的ストレッチの代表例はラジオ体操です。(動的ストレッチとは、手足を動かし、動きの中で筋肉を伸ばしていくストレッチ方法です。)
そして、ウォーミングアップを行う際に気を付ける事は、絶対に無理をしないということです。
クールダウンの目的と効果
クールダウンの目的と効果としては、以下のようなものがあげられます。
・怪我の予防
・筋肉疲労の回復
・柔軟性の回復
・貧血の予防
スポーツをした後は、必ず体に疲労がでます。疲労をそのままにしておけば、運動の負荷や衝撃は体の各部に残り、怪我のリスクを高める原因となってしまいます。
スポーツをすると「乳酸」という疲労物質が溜まるため、この乳酸を上手に排出することが疲労回復のカギとなります。
運動後にクールダウンを行うことで「運動後の傷ついた筋繊維のケア」「溜まった乳酸を軽減」などの効果が期待でき、スポーツでの怪我を予防することができます。
体を休ませるクールダウンの方法
練習で行ったの運動強度よりも軽い負荷でクールダウンを行うことで、血流が良くなり、運動でたまった疲労物質をより早く分解・代謝することができます。
1.ウォーキング
運動中は筋肉が収縮する事で血液が心臓に戻りますが、急に運動を止めてしまうと、集まった血液がその部位に留まってしまします。
そこで、軽く体を動かし血液を全身に流すために、高まった脈拍を落ち着かせる程度のペースでウォーキングをしましょう。
ただし、もう一度汗をかく必要はなく、心拍があがらない程度にリラックスすることを意識します。
2.ストレッチ
急に運動を止めると、筋肉組織に滞り、疲れが取れにくくなります。
ストレッチは10分~15分が理想です。あまり長くストレッチすると、逆に疲れてしまうので、あくまで緩める事を意識しましょう。
3.アイシング
素早くアイシングを行うことで、熱を持った筋肉の余分なエネルギー消費を抑えてくれます。
また、冷やして収縮した血管が元の温度に戻るときに、血流が増大し、疲労物質を流すことに効果があります。
筋肉は体温・筋温が上がりすぎると収縮が悪くなり、十分なパフォーマンスを発揮することが出来なくなります。
練習中は、短時間でも構わないので、頭部や脚、肩、背中などを冷やすとパフォーマンスの維持に効果的です。
足湯と温冷交互浴の疲労回復効果
運動前の足湯
運動前にお湯で足湯をすることにより、疲労物質の乳酸が体外に排出されやすい状態になり、疲れにくい状態を作ることができます。
運動後の温冷交互浴
さらに運動後には、お湯と冷水に交互につかる温冷交互浴をすれば、温冷刺激により抹消血管を広げ、疲労物質の乳酸を体外に排出し、疲労回復を高めてくれます。
この温冷交互浴は足裏マッサージのような効果も期待できます。
自己管理
練習後のクールダウンはとても大切ですが、現実は技術を磨くことが先行してしまい、きちんとクールダウンの時間をとっていないクラブチームは少なくないようです。
いくら練習を重ねても、翌日まで疲労を残したままでは、質の良いトレーニングをすることはできません。練習後は自らでクールダウンするように心がけましょう。
着圧ソックスで筋肉疲労軽減
体を締め付ける圧力によって筋肉と血管もグッと収縮され、血流の流れを活発にする効果があります。
血流、つまり血液の循環がよくなると全体や筋肉への栄養の供給や疲労や老化の元となる老廃物の除去も早まり、結果的に疲労が軽減される効果があります。
まとめ
今回は「スポーツをする子供の怪我を予防|ウォーミングアップとクールダウン」についてお話をしましたが、いかがでしたでしょうか。
今まで何となく、ウォーミングアップやクールダウンを行っていた子供達も、これでウォーミングアップとクールダウンの必要性を理解していただけたかと思います。
試合でパフォーメンスを発揮するためにも、スポーツでの怪我のリスクを最大限に下げるためにも、ウォーミングアップとクールダウンは必ず行うようにしましょう。