【スポーツ栄養士監修】ジュニアアスリートを支えて伸ばす食事法

2019年4月5日身体ケア

少年野球

メンタルトレーナーの葉月です。

私は主に小学生と中学生のメンタルケアに携わっておりますが、実際にスポーツの現場で子供達を見ていると、いくら心を充分にトレーニングしても、そこに技術的スキルや丈夫な身体が伴っていなければ、結果につながりにくいですし、特にジュニア世代の子供達は「スポーツをするために必要なエネルギー」に加え、「成長に必要なエネルギー」「日常生活に必要なエネルギー」の補給もする必要がありますので、1日を通してバランスの良い食事を心がけることが大切です。

前回スポーツ栄養士の林先生に「プロテインの効果的な飲み方と子供が飲む時の注意点」についてお話いただきましたが、今回は「競技別に考えたい食事内容」と「スポーツをする子供の食事法」などについてご教授いただきましたので、お子さんがスポーツする保護者の方はぜひご参考にされて下さい。

競技別に必要な栄養を知る

野球の試合で塁ベースを踏もうとする少年

子供達が「スポーツで勝てる丈夫な体」をつくるには、 現在している競技に必要な栄養素を知ることが大切です。

バスケットボール、野球、サッカー、陸上、水泳、テニス、バレーボール、バトミントン、柔道、剣道など様々なスポーツがありますが、体の使い方やトレーニング内容もそれぞれ異なるため、1日に必要なエネルギーの摂取量は競技内容によって異なります。

例えば、バスケットボールやサッカーなどの競技では、「一瞬の判断」や「体のキレ」はもちろんのこと、パワーやスタミナが必要となり、そこには「瞬発力」と「持久力」が要されますし、短距離走や野球などの競技では、短時間のうちに持続的なパワーが要求されるため、瞬発力を高めるための筋肉を作る必要があります。

瞬発力を高めるには

短距離走

瞬発力を発揮させるためには、  瞬間的に大きな力を出してくれる筋肉が必要となります。

その素となるのが皆さんもよくご存知の通り「たんぱく質」です。

たんぱく質と言えば「肉」を想像されるお母さんも多くいると思いますが、唐揚げやとんかつ、ステーキなどには脂質が多く含まれており、血液をドロドロにしてしまいますので、毎日のように揚げ物や高カロリーなステーキや焼き肉ばかりを食べさせるのは理想的だと言えません。

スポーツをする子供にとって、理想的なたんぱく質の摂取方法は「脂質が少ない肉や魚」と「大豆製品・乳製品」などです。

栄養士
林先生

ササミや鶏肉、鮭、納豆、卵料理などがおすすめです。

瞬発力を要するスポーツ野球、バレーボール、ソフトボール、短距離走、空手など

瞬発力と持久力を高めるには

サッカーの試合

上で説明した瞬発力を高める栄養素「たんぱく質」に加えて、持続的に頭をフル回転させて体を動かすためには、炭水化物の補給が欠かせません。

また、汗をかくことでミネラルを失うため、ミネラルの補給も重要です。

練習後の夕食では、筋肉を修復してくれるたんぱく質、エネルギー源となる糖質、筋肉の疲労を回復してくれるクエン酸を摂るように心がけましょう。

瞬発力と持久力を要するスポーツバスケットボール、サッカー、水泳、テニスなど

栄養不足が招くスポーツでの怪我

部活

子供達は成長と共に骨の量も増加していき、骨密度は10代後半から20代前半にピークを迎え、その後は少しずつ減少していくと言われています。

そのためプロのアスリートを目指す子供達は、成長期にしっかりとカルシウムを摂取することが大切とされています。

ところが厚生労働省が毎年行っている「国民健康・栄養調査」によれば、日本人のカルシウム摂取量は例年、目標値を下回っていることが報告されています。

カルシウムが不足すれば、骨も筋肉も弱くなり、怪我のリスクを高めてしまうため、スポーツをするジュニア世代の子供達は、特にカルシウムを軽視してはいけません。

また、カルシウムには神経の興奮を静めて精神を安定させてくれる働きがあるため、カルシウムが体内から不足してしまえば、イライラしやすかったり、集中力が低下したり、判断力が鈍くなったりといったことが起こってしまいます。

栄養不足が招くパフォーマンスの低下

バスケットボールの試合

試合の前半は勢いがあっても、後半になれば、スピ―ドが落ち、判断力は低下し、気が付けば思うようにプレーができなくなっている・・・。スポーツをする子供達にはよく見られる光景です。

サッカー、バスケットボール、テニス、長距離ランナーなど、持久力を必要とされるスポーツであれば、この「スタミナ」こそが勝敗の分かれ道だと言っても過言ではないかもしれません。

試合中の筋肉疲労を防ぎ、スタミナを高めるのに活躍してくれるのが、たんぱく質のもと「アミノ酸」になりますが、これが不足することで、筋肉の収縮性や瞬時の判断力の低下させ、パフォーマンス低下を招きますので、毎日の食事からしっかりと栄養を摂取することが大切です。

また、アミノ酸が「スポーツをする子供達へ欠かせない効果」を発揮してくれるのは試合中だけではありません。

運動後には必ず「筋肉の合成と分解」が行われます。

その際に必要な栄養素が足りていなければ、分解の増加が合成を上回り、運動をしたのに、筋肉が減ってしまうという事態を引き起こします。

ただし試合後に素早くアミノ酸を摂取することで、激しい運動で傷ついた筋肉を修復し、また翌日からの練習へ備えた身体をつくってくれます。

栄養士
林先生

運動後にもしっかりとアミノ酸を摂取することが大切です。

アミノ酸が発揮するおもな効果

サッカーの試合

  • 成長ホルモンの分泌を促す
  • 瞬発力が上がる
  • スタミナアップ
  • 「やる気」「集中力」の向上
  • 筋肉疲労を予防し、より早く回復する
  • 体力・免疫力を向上
  • 筋肉の質を向上

アミノ酸は「脳のエネルギー」とも言われ、バスケットボール、サッカー、テニス、バレーボール、野球のように 集中力の維持が必要な競技には特に必要不可欠な栄養素だと言えます。

2019年4月5日身体ケア

Posted by 葉月 愛