最近では朝食を食べないまま学校へ登校する子供達が増えていると言われています。
プロのスポーツ選手の中には「朝は排泄の時間」であるとの考えから、朝食は「ヨーグルトのみ」「フルーツのみ」としている選手もいますが、成長期の子供達もそれと同じ考えでいいのでしょうか。
今回は「スポーツをする子供に朝食が必要な理由~集中力との関係~」についてお伝えしたいと思います。
アスリートが朝食を抜く理由
朝食を抜く、あるいは軽めにして「胃腸を休めて整える」というスポーツ選手がいます。
朝は体にとって排泄の時間。だから消化器の負担を少なくするためにあまり食べず、トレーニングで傷ついた筋肉を回復させるために、昼食と夕食でしっかりと栄養を補給するというパターンです。
こうすることで、効率的に栄養が吸収でき、体をさらにたくましくしてくれるというものですが、成長期の子供の場合は別で、 朝食は絶対に必要なものです。
1日2食では、1日に十分な栄養を補えないのと、育ち盛りの子供達は筋肉の質がいいので、食べた分だけカロリーを消費しやすいというのが大きな理由です。
朝食が練習や勉強の効率を上げてくれる
朝食をきちんと食べることによって、消化・吸収器官が活動し始め、体全体を活性化させます。
また、不足しているエネルギーが補充されることで、 脳を活性化させ、集中力や記憶力もアップします。
成長期の子ども達が「時間がない」「朝から食欲がわかない」などと言って、朝食を抜くことは避けたいところです。
朝食を摂ることで体に起こる4つの効果
・体のエネルギー源となる
・脳に栄養素を補給する
・体温を上昇させる働きがある
・睡眠中に失った水分を補給する
朝食を食べている子と食べていない子の違い
朝食を食べていない子供達に比べて、朝食を食べている子供達の方が「学力が高い」というデータがあり、体力面でも朝食を食べている子供達の方が、スタミナもあることが分かっています。
このようなデータからも分かるように、ハードな練習に耐え、身体を鍛えたとしても、3食きちんと食べていなければ身につかないということです。
トレーニングをして鍛えられているように思えても、それは一時的に筋肉がはっているだけ。
筋肉はトレーニングだけでなく、食べることでやっと身につけることができるのです。
朝は食欲がなく、少食のお子さんも多くいます。
しかし、 「食べる力」を身につけることは、キッズアスリートにとって、大切なトレーニングのひとつだと言えるでしょう。
朝食が体温を上げてくれる
起床時は肝グリコーゲンが減少し、体温が低下しています。
しかし、朝食をしっかりとることでエネルギー源の補給と同時に、筋肉運動を開始させ、体温上昇を促すことができます。
体温の上昇は食事摂取から1時間後にピークとなり、5~6時間持続します。
危険!低体温の児童が増加!
近年、低体温の子が増加傾向にあり問題視されています。
低体温の子に共通する特徴は「痩せぎみ」「疲れやすい」「病気になりやすい」などの体の変化に加え、「イライラしやすい」「うつ状態」など、心(メンタル)にも悪い影響を及ぼします。
低体温の予防・対策
・朝ごはんを食べる
・適度な運動する・十分な睡眠をとる
朝食に欠かせない栄養素
朝食でも「主食」「主菜」「副菜」「スープ」「果物」「乳製品」をバランスよく食べるのが理想ですが、朝早くからたくさんのおかずを用意するのは大変ですよね。
しかし、スープを具沢山の味噌汁にすれば主菜も副菜もとることができますし、時間がなければ主菜は目玉焼きなどで簡単にできます。
どうしても時間がなかったり、お子さんの食欲がなければ、主食をコーンフレークにしてもいいし、果物がなければ果汁100%ジュースでも大丈夫です。
栄養満点「バナナ」の働き
バナナには、でんぷんやブドウ糖や果糖などいろいろな糖質が含まれているため、それぞれが体内に吸収される時間が異なり、 エネルギー補給を長時間持続してくれます。
また、フルーツの中でも特にバナナはカリウムを多く含んでいるため、長時間の運動による筋肉の痙攣などを防いでくれます。
そのため、試合前には、好んで食べているプロのアスリート選手も多くいます。
忙しい朝、寝坊をしてしまった朝、食欲がどうしてもわかない朝などに、簡単に栄養素がとれるバナナはうってつけの食材です!