こんにちは、メンタルトレーナーの葉月です。
お母さんが子供に、コーチが選手に、教師が生徒に…
相手のこと思って言葉を伝えても自分の思いが相手へ上手く伝わらないってことは誰にでも経験があると思います。
- 「あなたの将来のために言っているのよ!志望校に合格したかったら、もっと真面目に取り組みなさい。」
- 「その程度のやる気で本当にプロになれると思っているの?人並みの努力じゃだめなのよ!」
- 「足が痛いから練習見学するですって?そんなんじゃレギュラーから外されるわよ!」
このような親子の会話はよく耳にしますし、お父さんやお母さんは子供に頑張ってもらいたいとの思いからこのような言葉をかけているのでしょう。
しかし、このような言葉かけには大きな問題点があります。
それは、受け止める側へ思いが伝わっていないケースが多いという点と、信頼関係がうまく築けない恐れがあるという点です。
そこで今回は 「【親必見!】思春期の子供と上手にコミュニケーションをとる方法」について考えていきたいと思います。
親の思いが上手に伝わらない原因
大人は知っていることがたくさんあるし、たくさんのことを経験してきているため、子供達に何か大切なことを伝える時、一度に多くのことを伝えようとしてしまう傾向にあります。
しかも思春期を迎えた子供達は口数が少なくなり、時に反抗的な態度をとってくるため、親はちゃんと理解してくれているのかが不安で特に言葉が多くなりがちです。
しかし子供が一度に情報を受け入れる量は決まっていて、一度に多くのことを言われれば結局重要なことが伝わっていなかったということも珍しくありません。
つまり、大人達の口からは「何度同じことを言わせるんだ」というフレーズが聞かれる原因は、子供ではなく伝える保護者側にあると言えるのです。
言葉の裏に隠れた問題点
親は子供が苦しんでいる姿や落ちこぼれていく姿を見ることは、自分のこと以上に辛いものです。どんな親でも、子供の辛そうな姿や落ちこぼれていく姿は見たくないと願うことは当然だと思います。
つまり「あなたのために言っているのよ。」の裏には「あなたが落ちこぼれていく姿を親としては見たくない。」という感情があり、「ここで練習を休んだら次の大会でレギュラーになれないかも!他の子にレギュラーの座を奪われるのだけは嫌だわ!」などといった親のプライドや見栄が隠れていることがあります。
この裏にある感情が必要以上に親と子を苦しめ、最悪なケースだと子供が大人に不信感を抱くケースがあります。
子供を思いやることと、大人の希望や期待を押し付けることは全く別物なのです。
親は子供に「こうあってほしい」という希望や、「こうなってほしくない」という不安や恐怖感があるものです。
もちろん、そう願うお父さんやお母さんの気持ちの中には、間違いなく愛情が入っており、このような願いや思いを抱くことは自然のことだと思います。
しかし、あまりにもお父さんやお母さんが子供に強く「あなたのため」といって希望や制限を押し付ければ、それは歪んだ愛情から生まれた「エゴ」と呼べるかもしれません。
子供達へ言葉を伝える時のポイント
例えばスポーツの現場で指導者が選手に「お前達のため」「チームのため」と熱く指導する際に「勝ちたくないのか!?お前達のために厳しい指導をしているんだ。もっと真剣にしろ!」と言われるのと、「やるからには、私も試合に勝ちたいし、結果を残したい。でもみんなもそうじゃないのか?そうだったら一緒に頑張ろう!」と言われるのとでは、どちらの方が前向きに取り組む意欲が湧くでしょうか。
「お前のために」を繰り返し言われ続ければ、そのうちに「うそつけ!コーチが勝ちたいだけだろ!だから怒鳴ってるだけだろ!」と子供達は感じてしまいます。
なぜ、そうなるのかは実に簡単です。
自分の感情を隠して、全てを「お前達のため」だと子供に押し付け「強制」「制限」で子供達の気持ちをコントロールしようとすれば、子供達はおのずと「何かが違う」と感じることは自然の流れなのです。
しかし、指導者や親が「自分のため」と思うのは決して悪いことではなく、当たり前のことなので、むしろその 「自分のため」を共有するべきです。
親であれば、子供に幸せになってもらいたいのは当たり前で、危険にさらされたくないし、同時に自分自身が不安になりたくない。
指導している監督やコーチも、結果を残してもらいたいのは当然だし、子供達が真剣に取り組んで結果を残してくれたら嬉しい。更に子供が勝利を喜んでいる姿を見ることができれば、指導者をしていて本当に良かったと思う瞬間ではないでしょうか。
「あなたのため」を伝えることはとても難しいことだと思います。
しかし、少なくとも「自分のため」を自覚して「あなたのため」と押し付けることをやめれば、伝える側の思いは届きやすくなるのではないでしょうか。
子供の話を最後まで聞くことの大切さ
子供達に大切な何かを伝えるとき、 一番効果的なのはシンプルに伝えることです。
いくら熱が入ったとしても、親や指導者が感情的になってしまっては、伝わるものも伝わりません。伝える側が冷静に本音で話すことが大切です。
もしもその際に子供が自分と違った意見を言ったとしても、それを「間違いだ!」なんて決めつけるようなことは言わず、最後まで子供の話すことへ耳を傾けてあげることが大切です。
大人は「自分の意見をしっかり言えるようになりなさい」と言うばかりで、子供に意見を言える環境を作れていないことが多くあります。
それどころか、一生懸命自分の意思を伝えようとする子供の話を遮って「なにバカなことを言ってるの?」「お母さんはあなたのことを考えて言っているんでしょ!」「それよりもするべきことがあるんじゃないの?」と親が真逆の行動をしてしまうことがあります。
これでは子供の気持ちを理解することはできないし、子供は混乱して「親に何を言ってもダメ。いつも話をちゃんと聞いてくれない」と信頼関係が築けなくなってしまうかもしれません。
子供と上手にコミュニケーションをとるには、まずは親が子供の話を100パーセント聞いてあげることです。それは99パーセントではなく、100パーセントでなければいけません。
まとめ
今回は 「【親必見!】思春期の子供と上手にコミュニケーションをとる方法」についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。
大人は子供との関係がうまくいかない時「どうして素直に言うことを聞けないのかしら」「昔はあんなに可愛かったのに捻くれちゃって」などと原因を子供のせいにしがちです。
しかし、実はそうなってしまう原因には保護者側に問題があるケースがほとんどなのです。
もしも子供とのコミュニケーションに悩んでいる場合は、まず自分自身が子供の話をしっかり最後まで聞いているがじっくり考えてみてください。