桜宮高校の体罰事件から6年。体罰が及ぼす本当に恐ろしい罠とは

スポ少・部活

体罰で選手が受ける影響とは

バスケットボール

今回の調査から、体罰を受けることでプレーが萎縮したり、体罰・暴力を受けることが不安になった、反発心を持ったとの回答がありましたが、今回の調査結果で1番懸念されるのは、精神的に強くなったと感じた学生が過半数いたということです。

そしてさらには、運動部活動中の体罰・暴力は必要かという質問に対し、40%の学生が必要だと感じているということがこの調査から分かります。(男子のみ回答では51%)

しかし、こちらの調査対象者は「大学・短大生」で、現在進行形で体罰を受けている者は少なく、これらの回答は「体罰を乗り越えた選手」「体罰に耐えてきた選手」「体罰を受けたことのない選手」でいずれも過去の振り返りに対する回答になります。

今回の学生達が体罰を受けている時期も本当にそのように感じていたかは今となっては誰にも分かりません。

当時はとても辛かったけれど、今が充実していれば過去の辛さも「いい経験」として捉えてしまう傾向にあり、「耐えることが美徳」とされている日本の風習から、多くの指導者、保護者、選手がそれを求めてしまう傾向にもあり、それは日本のスポーツ界が残してしまった負の遺産だと言えます。

体罰や暴力がなければ、体罰や暴力を使わなくても選手を正しく育てられる指導者に出会えていたのなら、もっと素晴らしい成果を残すことができたのかもしれませんし、スポーツはそうあるべきだと思います。

また、選手であった子供達には将来スポーツ指導に携わる者も出てくるかと思いますが、スポーツ指導で体罰・暴力が必要だと感じている学生が指導者になることは、とても恐ろしい事です。

そのため選手である子供達にも、学生の時期から「体罰に対する正しい認識」「スポーツの意義」をしっかり意識させることが大切だと考えます。

桜宮高で起きた体罰問題

高校生

2012年12月、桜宮高校のバスケットボール部キャプテンが、顧問の体罰を苦として、自ら命を絶ってしまうというとても悲しい出来事が起こってしまいました。

その生徒は、大阪の中学ではトップクラスの選手で、入部時にも話題になるような部員だったそうです。

そして桜宮高は全国大会に何度も出場している名門校で、彼も「全国大会に出場したい」という夢を抱いて入部したそうです。

しかし、その生徒を待っていたのは、顧問による暴言・暴力でした。

メディアでは顧問がその生徒に何度も平手打ちをする動画が公開されましたが、男子生徒はその試合の翌日に首をつって自らの命を絶ったそうです。

そのことに対し当時の顧問は「自分自身では選手も保護者も理解していると思っていたので、その当時は体罰という認識がありませんでした」「平手打ちの理由は“しっかりせえ!”という思いから」「強い部にするためには体罰は必要で、それによって生徒をいい方向にに向かわせるという実感があった」などと語りました。

体罰に耐えれる選手が強くて、体罰に耐えられない選手が弱いとすれば、スポーツにどれほどの価値があるというのでしょうか。

当時の顧問には「懲戒免職処分」、暴行・傷害の罪での起訴で「懲役1年・執行猶予3年」の判決が言い渡されましたが、この短い期間で罪を償ったと勘違いしてもらいたくありませんし、この出来事は私たち子供達のスポーツ指導に携わる者は絶対に忘れてはならない事件だと思います。

まとめ

今回は「体罰が及ぼす本当に恐ろしい罠」についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。

私たち大人は目先の問題に捉われがちですが、実はもっと深い部分にも問題点が隠れているということが、国大学体育連盟の「体罰」に関する調査で明らかにされました。

まだまだ日本のスポーツ界には課題がたくさんありますが、少しでも子供達の未来を守って、少しでも子供達に希望ある未来を持ってもらえるようにすることが、子供達のスポーツ界に携わる大人の使命ではないでしょうか。

スポ少・部活

Posted by 葉月 愛