涙を我慢して強くなれるのか?またミニバスで起きた暴言・暴力問題

2019年4月2日コーチング

子供達の成長とは何か?

少年の雰囲気は以前と変わって、よく言えば「緊張感を持っている」、悪く言えば「ビクビクしている」そんな様子が伺えたとお話しましたが、それはこの選手にとって「成長」の一つと言えるのでしょうか?

もちろん子供達が成長していく中で、プレーに対する知識や経験から競技能力や技術が複雑化され、いわゆる「がむしゃらに頑張る」という姿が見られることが少なってなってしまったのかもしれませんが、その前向きに頑張る姿勢をずっと失うことなくプレーを続けていくことは本当に難しいことなのでしょうか?

今回、少年に「泣くなら帰れ」と怒鳴っていた指導者は、試合中にも怒鳴り声をあげていました。

選手が失敗をすれば「何やってんだ〜!お前いい加減にしろよ!」と叫び、選手を威圧させる振る舞いをする。

そんな中で指導されている選手たちは、試合があるごとに技術的に成長している部分もあるのかもしれませんが、もしかしたら大切な「何か」を少しずつコートに置いていっているのかもしれません…。

子供の「今」を大切にする指導とは

今回頂いたご意見の中に「指導者にとっては何毎回の1つかもしれませんが、選手にとっては大事な時間なんですから、そこを理解して欲しいですね。」とのお言葉がありましたが、私も本当にそうだと思います。

一部のコーチは子供達に「今」を大切にしろと言っておきながら、子供達がミスをすれば、暴言や暴力的行為で子供達の成長する大切な時間を台無しにしてしまっているわけですから、矛盾の塊ですよね。

コーチが子供達に技術的指導をすることはもちろん大切ですが、子供達のメンタルを鍛えるという考えは少し違うのかなって最近考えます。

指導者の精神状態が不安定であれば、もちろん子供にメンタルの安定を提供することはできませんし、指導者が「子供達のメンタルを鍛えよう!」と一生懸命になればなるほど裏目に出てしまうこともあります。

私が尊敬する指導者の方に「大切なことは子供の夢や目標に対して自分がどれほど関われるかではなく、いかに子供の夢や目標の邪魔にならないようにすること」という信念の元で子供達の指導を行なっている方がいらっしゃいます。

まさに今回のご意見の中にある「私は教育も指導も人から人に教える時代は終わったという見解に賛成です。」という言葉にもそのような意味が含まれているんだろうなと感じました。

今回の出来事に対して

今回の出来事に関して指導歴20年ミニバスにも携わった経験のある方から貴重なご意見をいただきましたので、ご紹介したいと思います。

 

「一対一でボールを運ぶ」それは、必要でしょう。 でも、相手の力量が上であれば、それをすぐに乗り越えるのは難しいかと私は思います。 もちろん、トライさせるのも一つの試練かと考えますが…

何もアドバイスなしで 選手任せでやらなきゃならない、そんな理不尽な指導はないと思います。

選手が大事なら、タイムアウト、ハーフタイム又は次の試合でその厳しいディフェンスを破る力・方法、スキルを指導して自分の教え子が泣くでなく「笑える事」が大事なんじゃないでしょうか?

こういう指導者を私もたくさん見てまいりました。 共通しているのは自己中心型タイプでありお山の大将タイプ、しかし権力に弱いタイプです。

私も、へっぽこ指導者でしたが未来ある選手を潰してしまう事だけは絶対にやりませんでした。

その指導者に問いたいです。

「あなたは福岡第一のガードにつかれても 一対一で運べるのですか? 」と…

私達、指導者は未来を潰しては 絶対にいけないのです。

 

このような考えの指導者の方は、子供の「今」を充実させるだけでなく、その子の未来をも充実させてくれるし、更には次の世代へ受け継がれ、更により良い環境が作られていくのだと思います。

このような受け継がれが、スポーツ界の遺産となれば、子供達の笑顔をもっと増やしていくことができるのではないでしょうか。

2019年4月2日コーチング

Posted by 葉月 愛