試合で実力を発揮する方法|ジュニア世代のメンタルトレーニング
失敗した時のメンタルの整え方
試合中に起きたミスを引きずることは、何一つとしてメリットを生み出しません。それどころか、失敗に失敗を重ね、メンタルを不安定なものにしてしまいます。
試合中の失敗に対する悔やしみや反省は、試合が終わってからでいいのです。 試合が終わるまでは、起きてしまった失敗は一度リセットして、再び試合と向き合うことが大切です。
慎之介は気持ちが表情に現れやすく、パフォーマンスが不調な時は「相手チームに対するサービスなのか?」というくらい、暗い顔をしてチームの士気を下げてしまいます。
そこでムードメーカーの歩夢が盛り上げようと頑張るのですが、センターの大地が慎之介の態度に腹を立てて試合にならない時もありました。
そこで私は慎之介にふたつ目のメンタルトレーニング術を教えました。それは皆さんもご存知の「ルーティン」です。
たとえば・・・
- バッシュの紐を結び直す
- バスパンの紐を結び直す
- 深呼吸をする
- 仲間とハイタッチをする
などのように、自分の中で「これをすればリスタート」を決めて、実際の行動に移したら気持ちを切り替えるように、と伝えました。
すると慎之介はその日の試合から、失敗をした時やプレイが上手くいかない時は「屈伸をしてリセット」をするようにします!と言って、そのうち気持ちを上手に切り替えられるようなりました。
この方法は、自分が失敗した時だけでなく、審判のジャッチに納得がいかない時や、相手チームの選手がフェアプレーをしないなどが原因でメンタルが乱されそうな時も有効ですので、下記の記事を参考にぜひトライしてみましょう。
メンタルを整えるための注意点
では最後に「試合中のメンタルを整えるうえで気をつけたい3つの注意点」についてお伝えしたいと思います。
負ける前提で戦わない
自分たちよりも格上のチームに勝つことは難しいかもしれませんが、100%負けが確定しているわけではありません。
少しの可能性を信じてどこまで頑張れるか、その気持ちがあるかないかでは、勝敗だけでなく今後の自分たちのチーム力にも大きく影響すると言っていいでしょう。
それでも心が折れそうだという時は、最終的な目標が曇りかけている証拠です。
選手である子供達も現場で指導している指導者も、この場を勝ち抜くことだけが目標ではないはずです。最終的に勝利を手に入れるために、負けの試合からでも、それぞれの課題を見つけれるような試合をすることが大切です。
自分の発言にのまれないようにする
負けた時にかっこ悪くありたくないと考え、試合をする前から「あんな強いチームに勝てるわけがないよ」「うちの実力じゃ無理だろうな」などと、諦めの発言をする選手がいます。
心のどこかでは、せっかく「勝ちたい」という思いあっても、自分自身でその思いを抑え込んでしまっているのです。
確かに明らかな格差があるチームに「本気で挑もうとするなんて」と、馬鹿にする人もいるかもしれませんが、そんなことがなんですか?
そんなくだらないプライドと引き換えに、成長や強さを失うことを考えれば大したことではありません。
ただの言葉だと思うかもしれませんが、気がつかないうちにその発言にのまれると、思った以上にパフォーマンスは低下し、能力のある相手はさらに強気になり、どんどん強くなることができ、さらに力の差をつけられてしまうのです。
努力こそ力なり
1に「挑戦」
2に「失敗」
3、4は「努力」で
5に「成功」
誰にでも言えることは「努力は無限」だということ。もしも子供達が「いくら努力しても全ての人に結果が出るわけでない」という考えを持っているのなら、まずはその思考から変えさせましょう。
努力が結果に出ないのは、まだ努力が足りていないだけなのです。もちろん自分の持つ体格や能力などから、できることに限界を感じる時もあるし、辛いと感じる時もあると思います。
しかし、子供達がそこに不満を感じているのなら、それを上回る強みを発見すればいいだけ。不満を抱いていても強くはなれないし、肝心な場面で心が折れてしまうのは、自分を信じれる強さが足りていない証拠です。
失敗と挫折、そして奮起。その繰り返して子供達は「ねばれる自分」をつくり出していくのです。ただ立ち止まっているだけでは前に進むことはできないのです。
まとめ
小学生の頃は、能力面で未熟な部分はあっても、とにかくがむしゃらで一生懸命です。
それが中学生になれば、スマートでありたい、カッコよくありたい、無様な姿は見られたくないとの思いから、「だるい」とか「めんどくさい」とか言った言葉をファッション感覚で使う子が多くいます。
そんな大きな意味もなさそうな言葉に自分のモチベーションやパフォーマンスを邪魔されては実にもったいない話です。
それでは、強いチームはどんどん強くなり、弱いチームはどんどん弱くなってしまう、負の無限ループに陥ってしまいます。
どんな対戦相手でも、消化試合だけはしないよう、全力で戦うことが大切なのです。