基本から学ぶ!ジュニア世代に向けたメンタルトレーニング

2018年1月22日コーチング

試合前のエンジン

こんにちは、メンタルトレーナーの葉月です。

スポーツの現場で「メンタルトレーニング」という言葉がよく聞かれるようになり、プロの世界に限らず、スポーツ少年団や学校の部活動でも「メンタルトレーニング」を意識された指導が行われるようになりました。

メンタルトレーニングには「平常心を保つ」「諦めない心を鍛える」などが意識されますが、何より大切なことは、メンタルトレーニングの成果が出せる環境にあるかということです。

様々な経験を積んだベテランのスポーツ選手は、メンタルトレーニングの必要性を自らで理解し、自らで学ぶ姿勢が見られますが、ジュニア世代では、メンタルトレーニングの必要性を本当に理解して取り組むことは中々難しいものです。

そして指導するコーチや親も「大切な基本」がしっかりされていない、間違った方法で子供の気持ちを強くしようしているなど、結果的に子供を追い込んでしまったり、傷つけてしまったり・・・。そのようなケースも少なくありません。

そこで今回は

  • メンタルトレーニングの目的
  • メンタルトレーニングの注意点
  • ジュニア世代に向けたメンタルトレーニング法

の3点についてお伝えしたいと思います。

メンタルトレーニングの始まり

メンタルトレーニング

1981年にカナダで開催された「国際スポーツ心理学会」では、メンタルトレーニングが大きく取り上げられました。

そこには日本のスポーツ心理学者も参加したのですが、そこでは日本との大きな違いに大変な衝撃を受けたといいます。

また、1984年のロサンゼルスとサラエボオリンピックでは、アメリカが12種目にメンタルトレーニングを導入し、多大な成果をあげたことが話題になりましたが、同時に日本の選手たちが自分達の力を十分に発揮できなかったことが報告されました。

そのことがきっかけとなって、1985年から日本体育協会の「スポーツ選手のメンタルマネジメントに関する研究」が始まり、日本でもメンタルトレーニングという言葉が使われるようになったそうです。




メンタルトレーニングの目的

メンタルトレーニング

スポーツをする子供達のメンタルを鍛えたい最大の目的は 「本番で十分な力を発揮する」ことにあると思います。

私は、メンタルトレーナーとして様々なチームで子供達や指導者の方と触れ合ってきましたが、実際にそこで感じたことは、メンタルトレーニングという言葉だけが一人歩きしているという現実です。

「折れない心」「諦めない心」の大切さを理解していても、何をどうしたらいいのか分からないという子供達は多く、「心が折れてしまう自分」「途中で諦めてしまう自分」と悪戦苦闘してしまう選手も多くいます。

そうなってしまう原因は、メンタルを鍛える最大の目的が「結果」や「勝敗」を意識しすぎるから、何をどうしたらよいのか分からなくなってしまうという点にあります。

競技能力が高い子供達というのは、単に「体を動かすことに優れている」という単純なものではなく、「判断能力」「空間認識能力」「反射神経」「持続力」「瞬発力」「ポジショニング能力」など、様々な感覚を正しく機能させて体を動かしています。

そして、それらの感覚を正しく機能させるには、 一番最初に稼働する「脳」が正常な判断を下す必要があります。

私達が物事へ取り組む際には、「悔しい」「嬉しい」「楽しい」「悲しい」などの感情や「こうありたい」「こうすべき」「まだいける」「もう無理だ」などの思考を無意識のうちに脳で生み出しています。

つまり、メンタルトレーニングの目的は、この感情と思考を上手くコントロールして、競技能力を最大限に発揮するというもになります。

メンタルトレーニングの注意点

スポーツ指導

スポーツをする上では、「心・技・体」の全てが必要だと考えられており、指導者・親・選手自身もメンタルの強化を望んでいます。

ただし、メンタル(心)というのは指導者や親が鍛えようとすればするほど、逆効果になることがあります。

メンタルトレーニングを行う上で意識してほしいことは、メンタルは鍛えるものではなく「整えるもの」と表現した方が分かりやすいかもしれません。

指導者の中には怒鳴ったり、罰を与えたり、褒美を与えたりして選手のメンタルをコントロールしようとしている方がいますが、それは正しいメンタルトレーニングとは言えません。

そのような行動で選手のやる気や向上心を一時的に上げることができても、それはその場しのぎのものに過ぎません。

それどころか、最悪なケースでは、そのような指導が原因となって、選手のメンタルを乱してしまったり、スポーツ自体を嫌いにさせてしまうことがあります。

親や指導者はメンタルトレーニングを意識した指導・教育をするのであれば、その基本をしっかり頭に入れておくことが大切です。

メンタルを整える最大の武器は達成感

サッカーの練習

スポーツをする子供達のモチベーションを保ってメンタルを安定させるためには「達成感」を欠かすことはできません。

達成感は、ずっと一定レベルのトレーニングを行なっていても感じられないし、自分たちよりも格下のチームに勝ち続けても得ることはできません。

例えば、中学生レベルの頭脳を持った子が、小学1年生で習う足し算を解いても達成感は感じられませんよね。

しかし、同じ子が高校生レベルの問題を試行錯誤しながらも自力で解くことができれば、達成感を感じることができるでしょう。

つまり、 「頑張らないと達成できない目標」をクリアし、今までできなかったことや、簡単にはできないであろうことを成し遂げることで、子供達は達成感を感じることができるのです。

そして、達成感が得られると自分にどんどん自信がついてきます。この達成感の積み重ねが折れない心を育ててくれるのです。

プレッシャーに押しつぶされる子供達

サッカー少年

子供達は「自分の出しだ結果が周りから認められた!」と感じることでも達成感を得ることができます。

しかしそれと同時に、親やコーチから過剰な期待を感じてしまった場合は「次もこの期待に応えられるか」「お母さんやお父さんをがっかりさせないプレーができるだろうか」「次にこれ以上の結果が出せなかったらお父さんやお母さんはどう思うだろうか」と次のステップへのプレッシャーや不安を感じさせてしまうことがあります。

選手がプレッシャーを感じると「不安」「心配」「焦り」などのネガティブな思考が働き、呼吸が乱れ筋肉の働きに微妙な変化が生まれます。

そうなると筋肉はうまく稼働しなくなり、普段ではあり得ないようなミスをしてしまうことがあります。

ここで大切なことは、大人達が 「結果よりもプロセス」に目を向けた言葉かけをしてあげるということです。

勝敗ばかりに目を向けず「辛い練習も乗り越え努力を続けてきたから今の自分がある」ということを再認識させてあげることで、子供達は達成感を得て、更なる挑戦や努力をしていくことができるのです。

「あきらめない心」を育てるのも達成感

野球少年

スポーツをしていれば、色々なチームや選手と対戦する機会があると思います。中には「どう考えても勝ってこない」と後ずさりしてしまうような、強豪チームと戦うこともあるでしょう。

しかし、その強豪チームを相手にベストを尽くして決めた1ゴールは、子供達にとって将来を支える「達成感」へとなってくれるはずです。

例えば、自分達よりも弱いチームに100対0で勝った試合と、自分達よりも強いチームに35対48で負けた試合とでは、どちらが子供達の自信やエネルギーとなるでしょうか。

もちろん力の差があれば、できないこともあるでしょう。しかし、圧倒的な能力・技術の差がある中でも、 自分ができる「最大限のプレー」をすることができれば、負けた試合でも子供達を大きな成長へとつなげてくれます。

2018年1月22日コーチング

Posted by kids-athlete