スポーツ心理学|脳をポジティブにしてメンタルを整える方法

2015年12月16日メンタル強化

ボールをキャッチする野球少年

嫌なことは思い出したくもないし、考えたくもない。だけど「不安」「悲しみ」「怒り」といった嫌な感情が頭から離れない。「早く気持ちを切り替えて前に進みたい!進まなければ!」と考えるのに、自分が抱くマイナスの感情がその邪魔をする。

このように、脳とは自分自身のものでありながらも、中々自分の思うように動いてくれないものです。

スポーツをしている子供達は「練習が楽しい」と思う日もあれば、「練習が辛い」「今日は行きたくない」と思う日もあるでしょう。

それでも子供達はその感情を無視して練習に向うわけですが、そんな状態で練習をするのと、前向きな姿勢で練習をするのとでは、結果に大きな差が生まれるのは当然です。

だからといって自分のマイナスの感情に勝とうと悪戦苦闘してもしんどくなるだけです。

ではどうすればいいのか・・・?

実は、良い感情も悪い感情も、脳にある「扁桃核」といわれる1.5cmほどの小さな組織が感情の状態を決定しています。

つまり、この扁桃核を上手にコントロールすることで否定的になっている脳を肯定的な脳に切り替えることが可能だということです。

今回は「スポーツ心理学|脳をポジティブにしてメンタルを整える方法」についてお伝えしたいと思います。




扁桃核を切り取った猿の話

猿は蛇が大の苦手です。猿数匹と蛇を同じ檻に入れてみると、猿は恐怖を感じてパニックを起こし、キーキー叫びながら逃げる猿、蛇に威嚇する猿などで檻の中は大騒ぎになったそうです。

しかし、猿の扁桃核を切り取ってしまうと、猿の反応は一変しました。

逃げ回っていた猿が、逃げるどころか蛇を捕まえて、口へ持っていったりしはじめたのです。

つまり、蛇に感じている恐怖感は猿にとっては本能的といってもいい感情。それが扁桃核を切り取ることですっかり消えてしまったということになります。



扁桃核は「好き・嫌い」の脳

扁桃核を簡単に説明すると、物事に対して、好きか嫌いかを瞬時に見分けて判断する組織です。

練習が嫌でサボりたくなるのも、仲間や指導者によくない感情を抱くのも扁桃核の仕業で、扁桃核が不快になれば、右脳も左脳も否定的になり、ポジティブな考え方ができなくなってしまいます。

例えば、脳が否定的になった場合、失敗する自分が脳裏をよぎったり、相手チームに点数を取られるイメージがわいたりします。

そうなってしまえば、不安や焦りから体の自由は奪われ思うようなプレイができなくなってしまいます。

スポーツをする上でメンタルを整えることが重要視されているのはそのためです。

ワクワクする気落ちを大切に

人はこれから起こることに希望を抱いたり、楽しみにしていることがあると心が「ワクワク」します。

つまり、ワクワクとは過去に対して持つ感情ではなく、未来に対して持つ感情です。

そしてマイナスの感情が脳を支配する場合では、過去の失敗やイヤな思いがほとんどです。

今からある試合に対してワクワクすることができないのも、未来に対してじゃなくて過去の失敗やイヤな記憶がそうさせてしまっているにすぎません。

そんな時に活用したいメンタルトレーニングに「クリアリング」と「セルフトーク」というものがあります。言葉の通り「クリアリング=除去」するという意味です。

スポーツ選手にとって最大の敵とも言える「ストレス」を脳から除去して「ワクワク」の感情、つまりポジティブ思考にするというものです。

また、ミスをした時に「最悪」「ふざけんなよ」「もう無理だ」などネガティブな独り言を言ってしまうことがあると思いますが、これを「大丈夫、これからだ」「こんなの想定内だ」「今日はやれる」などポジティブな言葉にするのが「セルフトーク」です。

たとえ心からそう思っていなくても、言葉の持つ力は脳に大きな影響を与えます。

否定的な言葉を呟けば脳はネガティブになるし、肯定的な言葉を呟けば脳はポジティブになります。その脳の仕組みを利用して自分の感情をコントロールして整えるようにしましょう。

ピンチをチャンスにする選手の話

私の知っているバスケットボールプレイヤーでピンチな時ほど、接戦な時ほど「覚醒」する選手がいます。

本人もそのことを自覚していて「俺は相手が強ければ強いほど覚醒する」「チームがピンチになった時ほど覚醒する」と言っています。

私は彼に「ピンチの時でも諦めずに力を発揮できる底力ってどこから湧いてくるの?」と聞いてみました。すると彼は「チームがピンチの時こそ腕の見せ所だとワクワクするんです。自分は目立ちたがり屋ですから」と照れながら答えてくれました。

私は思わず彼に拍手をしてしまいました。このように肯定的な感情を脳に入力できる選手は簡単に扁桃核を快に変えることできるのです。

扁桃核が「快」から「不快」に変わる瞬間

たとえ準備万端で挑んだ試合でも、コーチから否定的な言葉で怒鳴られた瞬間、多くの子供達の脳は「試合に対するワクワク」から「落ち込みや萎縮、不安」へと切り替わってしまいます。

では、あるミニバスケットボール選手を例にお話ししていきたいと思います。

小学6年生になるその選手は、ミニバス最後の秋季大会に向け「僕もお兄ちゃんの時みたいに県大会で優勝する!」と朝の自主トレーニングに励んでいました。目標を持って、練習にも前向きな姿勢で向かっていたため、コーチからの評価もグッと上がり、その選手にとっては、まさに「絶好調」といえる時期でした。

それからしばらくし、秋季大会の初戦で戦うチームが決まりました。コーチはミーティングでその選手に「お前は5番のPGにつけ。前回のような試合は許さんぞ!」と指示を受けました。

そのチームとは過去3回戦ってきましたが、勝ったのは初戦だけ。

回数を重ねる度にボロボロにやられていました。

3戦目でその選手は5番のPGの子に何度も抜かれ、挙句の果てには5ファールで退場する始末。彼にとって5番の選手は天敵ともいえる選手なのでしょう。

その時まで「県大会優勝~!」と前向きに頑張ってきたけれど、「また、あいつか…。また抜かれたらどうしよう。退場だけはしたくない。」と不安と恐怖を抱いてしまいました。

扁桃核は「怒り」「恐れ」「喜び」「悲しみ」などの感情を記憶する機能も持っていますので、この選手が痛い目にあったあの時のあの試合。その記憶がよみがえることで更に不安と恐怖を感じてしまったのでしょう。

見事に彼の扁桃核のスイッチが「快」から「不快」に変わった瞬間です。



脳を「快」の状態で保てる子

この選手を例にしても、多くの子供達は、試合に負けるとマイナスのデータばかりを脳に入力してしまうので、脳はどんどん「不快」になってしまいます。

しかし、扁桃核を「快」の状態を保つことができる子供達もいます。

そんな子供達が持つ特徴の一つに「負けず嫌い」という特徴があります。

負けず嫌いの子供達は、そうでない子供達と違って、負けたことに対して「駄目だった」ではなく「次は絶対に負けない」という思いを脳に入力します。

つまり、負けた相手に対しても脳が不快ではなく「快」になるのです。

そして、また同じ相手と戦うときには「不安・恐怖」ではなく「雪辱のチャンス」だと快になる。

これが負けず嫌いの子供達が脳にある扁桃核を「快」に保つことができる理由です。

選手である子供達は「あいつの方が上手いから仕方がない」と諦めのいい選手になってはいけません。

選手にとって悔しさとは大きなエネルギーなのです。敗北感をマイナス方向ではなく、強力なプラスの方向に変えられる負けず嫌いになりましょう。

まとめ

今回は「スポーツ心理学|脳をポジティブにしてメンタルを整える方法」についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。

日々の努力から競技能力を向上できても、一番肝心な扁桃核が「不快」になってしまえば、いい結果を出すことはできないし、逆に「快」の状態を保つことができれば、子供達が本来持つ実力を十分に発揮できるでしょう。

メンタルトレーニングは日々の生活習慣の中で行うことで、子供達はメンタルを安定させ強化させることができます。

家庭の中でも取り入れることを是非おすすめします。

2015年12月16日メンタル強化

Posted by kids-athlete