子供のメンタル強化は指導者で左右される!トレーニングの落とし穴
子供のモチベーションが保てない原因
子供達のやる気を高める方法は大きく分けて2つあります。
一つは褒美や罰を与えることでやる気を高めさせる「外発的動機づけ」で、もう一つは褒美や罰に関係なく自分がしたいからそうするという「内発的動機づけ」です。
外発的動機づけは、手っ取り早く結果につなげさせることができるため、指導者はこの方法を使いがちで、練習中に「やる気がないなら帰れ!!」とその場を立ち去って子供達にこれからどうするべきか考えさせることも外発的動機づけの一種です。
指導者は自分達で考えて行動する「主体性」を育てたいと考えているのかもしれませんが、子供達は「コーチが怒っているから、自分達がダメだった点を伝えて謝ろう。」と考えるだけで、指導者が本当に求めていたものが得られているとは思えません。
意欲的に練習へ取り組むために必要なモチベーションは「コーチに怒られるから」ではなく「自分達が強くないたいから」という「内発的動機づけ」を動かすことです。
そのためには、日頃から子供達が「達成感」を得られるような目標設定や、指導者が暴言や暴力を使わない指導が大切だと言えるでしょう。
達成感が諦めない心を育てる
スポーツをしていれば、色々なチームや選手と対戦する機会があると思います。中には「どう考えても勝ってこない」と後ずさりしてしまうような、強豪チームと戦うこともあるでしょう。
しかし、その強豪チームを相手にベストを尽くして決めた1ゴールは、子供達にとって将来を支える「達成感」へとなってくれるはずです。
例えば、自分達よりも弱いチームに100対0で勝った試合と、自分達よりも強いチームに24対48で負けた試合とでは、どちらが子供達の自信やエネルギーとなるでしょうか。
もちろん力の差があれば、できないこともあるでしょう。しかし、圧倒的な能力・技術の差がある中でも、 自分ができる「最大限のプレー」をすることができれば、負けた試合でも子供達を大きな成長へとつなげてくれます。
褒める時の注意点
子供達には「怒る」ことよりも「褒める」ことが良いとされ、スポーツ指導でも褒めることが重要だと言われています。
しかし褒めすぎることで逆効果になってしまうことがありますので、指導者はその点にも気をつける必要があります。
それは、褒められなければ「自分は期待されていないのか」「自分は失敗したのか」「これは間違えなのか」と子供達を不安にさせ、褒めて伸ばすつもりが「褒められなければ意欲が沸かない」「褒められなければ行動できない」という状態をつくってしまうことがあるということです。
子供達を褒めるうえで大切なことは「結果」ではなく「プロセス」や「努力」に対しての言葉かけで、子供達が自分で考えて行動をさせるためのサポートをしてあげることです。
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健康な体であることが基本
安定したメンタルを保つには、健康な体であることが必要です。
子供の成長を無視した練習量やハード過ぎるトレーニングを行い、オーバーワークになってしまえば、健全な精神は保たれません。
「辛い練習に耐えることが精神力を鍛えることにつながる」とおっしゃる指導者の方がいますが、成長期の子供達の健康を犠牲にする行為はスポーツとは言えません。
もちろん指導者による「暴言」「暴力」は絶対にあってなりませんし、競技能力を上げるには健全な精神力が、健全な精神力を保つには健康な体が必要だということです。
まとめ
今回は「子供のメンタル強化は指導者で左右される!トレーニングの落とし穴」についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。
子供がメンタルを強化するためには、メンタルが安定していなければいけませんし、子供のメンタルを安定させるためには、周りの大人達がイライラしていたり、何か別のことに気を取られていては、大人が望むそうな答えは返ってきません。
相手を理解するためには、自分自身の心理状態を把握しておきことは必須ですし、指導者が自分の思いを一方的に伝えているだけでは不十分だと言えるでしょう。