子供がレギュラーから外された時の声かけ|子供の思いと親のあり方

2017年10月30日ペアレーチング

子供のやる気を引き出すには

芝生の上にあるグローブ

次に「どうやってやる気を出させたらいいのか」ということですが、子供達は小さな達成感を得たり、確実に自分が成長していると感じることで、さらなるやる気を出すことができます。

つまり、いくら親が口うるさく言っても、そう簡単に子供達がやる気を起こすほど、子供達の脳は単純ではないということです。

確かにレギュラーから外されたり、コーチからいい評価をもらうことができなければ、子供達のモチベーションは低下し、今しているスポーツが嫌になってしまうことがあるかもしれません。

そんな時に有効な方法は「レギュラーになる」「次の試合で優勝する」など、自分の力や意思だけではどうにもできない結果目標を立てるのではなく、「自主練で素振り15分」「早朝ランニング15分」など行動に対しての目標を立てることです。

そして、行動目標をクリアしていくことで、達成感を得ることができるため、モチベーションを取り戻すことができます。

ただし、親が無理矢理に目標を立てさせて、行動目標が義務的になってしまえば意味がありません。子供自身のエネルギーが貯まるまで時間を要する場合もありますし、今がそのタイミングでない場合もあります。

意欲を高めるために必要なことは「自分かしたいからする」「自分にとって必要だからする」などと自分ファーストでなければモチベーションは保てませんし、「コーチに怒られるから仕方なしにする」「親が望んでいるから仕方なしにする」という状態では、真剣にスポーツと向き合うことはできないでしょう。

それは「一流アスリートがやってるから」などとモチベーションの保ち方を真似させても同じことが言えますし、うまくいかないケースの方が遥かに多いです。

子供の自己肯定感を大切に

野球の試合

お父さんやお母さんが「レギュラーの座」ばかりを気にしてしまうと、子供達は「レギュラーになれない自分はダメな選手」「レギュラーになれないのならチームにいても意味がない」と考え、スポーツをする本来の目的を失い、好きでしていた野球が嫌いになってしまう恐れがあります。

子供達が自分の存在価値を自分自身で認めてあげれないということは、本人にとってはとても辛いことだと思います。

そして子供に頑張ってもらう一番の方法、それは「ガミガミ言わないこと」です。辛いかもしれませんが我慢です。

お子さんが自分自身で考えて行動に移す時を待ちましょう。

もちろん「ただ何もしないで見ていてください」と言っているわけではありません。全力でお子さんをサポートしてあげてください。

それは、強く頑丈な体をつくるための栄養管理や体のケア、継続する力・自己肯定感を育てる心のケアだったりということです。

子供には「子供自身が頑張るべきこと」「子供自身が努力するべきこと」があるように、カナさんにも「お母さんでしかしてあげられないこと」があると思うのです。

子供が下を向いて歩こうとすると障害物にぶつかって前へ進むことができなくなってしまいます。お子さんと上を向いて前へ進めるようサポートしてあげてください。

親がサポートをする時の注意点

スポーツには丈夫な体と強いメンタルが大切ですが、その思いが強すぎると逆に子供にとってプレッシャーとなってしまうことがあります。

子供達にはそれぞれのペースがありますし、本来の目的は今をいち早く走り抜くことではないはずです。

最終的な夢や目標にたどり着くまでには、良い時や悪い時があって当たり前です。そのことを親が忘れて常に「絶好調」を求めてしまえば、調子が悪くなった時にどうすればいいのか分からなくなり、子供自身も本来の夢や目標が曇ってしまうことがあります。

大切なことは夢や目標のためにどんな準備をしてどんな毎日を積み重ねていけるかなのです。

スポーツトレーナーとして今までたくさんの子供達と触れ合ってきましたが、夢を実現化するためには「子供達が安心して過ごせる環境」が必要で、「どうすればアクセルを全開に踏み続けることができるか」ということよりも「どうすれば気持ちをオフに切り替えられるか」ということの方が、実は必要なことなんだと感じるようになりました。

子供達がスポーツを楽しめる時間は限られているし、大人達は時間の大切さを理解しているからこそ「今を頑張れ!」と子供に言いたくなってしまいますが、時には一緒に立ち止まってあげることが必要な時もあるのかもしれません。

まとめ

今回は 「子供がレギュラーから外された時の声かけ|子供の思いと親のあり方」についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。

自分が手にしていたものを失う時の辛さは、本人にしか分からないし、それを見ている親御さんも本当に辛いと思います。

しかし、そこから子供達がどのように考えて、どのように動いていくのかは、選手である子供次第なのです。

コーチや監督が「あの子は将来有望だ!」と期待されていた選手が、思った以上に能力を伸ばすことができず平凡な選手で終わったり、「あいつは本番で使えない」と言われてた選手がぐんぐんと成長して大きな結果を残したりと、そんなことが現実に起きるのがスポーツの世界なのです。

子供がメンタルを整え、競技能力を最大限に発揮するには、「自分自身を否定的に考えないこと」「自分の可能性を最大限に大きくする思考」この2つがカギとなるでしょう。

2017年10月30日ペアレーチング

Posted by 葉月 愛