スポーツ時に膝が痛くなる有痛性分裂膝蓋骨の治療法と6つの予防法

スポーツ障害

膝を痛がる子ども

有痛性分裂膝蓋骨とは、成長期の男子に多くみられ、何らかの原因により分裂した膝蓋骨に痛みを引き起こし、歩行やスポーツ活動に障害をきたす疾患です。

膝蓋骨は通常ひとつの状態ですが、生まれつき2つ以上に分裂しているケースもあり、それを「分裂膝蓋骨」と呼びます。そして痛みを伴わないものを「無痛性分裂膝蓋骨」と呼び、痛みが伴うものを「有痛性分裂膝蓋骨」と呼びます。

その多くは、痛みを伴わない「無痛性」であることがほとんどですが、スポーツなどで過度に負担をかけ、オーバーユース状態になった時に、分裂部分に牽引力がかかって痛みを引き起こすことがあります。

この場合、一般的には痛みを抑えるために安静にすることと、整形外科などの施設でリハビリが必要となります。

有痛性分裂膝蓋骨の主な症状

・膝の屈伸時に起こる痛み
・ジャンプをした時の痛み
・膝へ圧力を加えた時の痛み

割れた部分に発症した炎症が、痛みの原因となります。痛みは膝の曲げ伸ばしをしたり、膝蓋骨に圧力がかかった時に発生し、安静にしていると治まってきます。

有痛性分裂膝蓋骨の痛みの原因

皿が分裂していること自体が痛みの原因ではないため、痛みの症状を伴わないケースのほうが通常は多いです。

しかし、激しいスポーツやトレーニングを行った際に、膝蓋骨の分裂した部分に大きな負担がかかることで炎症が発生すると痛みを感じるようになります。



有痛性分裂膝蓋骨の原因

生まれつきの膝の形状に加え、膝蓋骨に大きな衝撃が加わり、この皿の部分が割れてしまうというケースがあります。

このような場合は、激しい運動で膝蓋骨についている大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)に強い力がかかる事が主な要因となります。

また、転倒などの怪我が引き金となり、有痛性分裂膝蓋骨の症状を発症するケースもあります。

有痛性分裂膝蓋骨の治療

膝の炎症

整形外科などの施設で大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)の硬さをとるためのストレッチや、膝周囲の筋力トレーニングを行うと同時に、分裂部に負担をかけない膝の使い方を習得します。

冷湿布剤の使用や運動後のアイシング、お風呂で患部をよく温めることも効果的です。

スポーツをしている時などに、急に痛みが発生した場合は、患部を氷のうなどで冷やすのがよく、痛みが長引いて慢性化している時は逆に入浴やカイロで温めるようにしましょう。

より積極的な治療では、炎症を抑え、膝への負担を軽減するための保存的療法が主となります。

しかし保存治療で良い結果が得られないような場合には、分裂骨片の摘出や分裂部を縫合する手術を行うこともあります。

有痛性分裂膝蓋骨を発症しやすいスポーツ

・野球
・バスケットボール
・サッカー
・バレーボール
・陸上競技

急激なダッシュや急停止など、特に太ももの筋肉(大腿四頭筋)に負担をかけるスポーツで発症するケースが多いと言われています。



有痛性分裂膝蓋骨の予防法

1.運動前のウォーミングアップと運動後のクールダウンは絶対必須!

有痛性分裂膝蓋骨を引き起こす原因のひとつに「疲労物質の蓄積」があげられます。

運動後のクールダウンを怠れば、疲労物質がそのまま体の各部に残り、有痛性分裂膝蓋骨の痛みを引き起こす原因となるだけでなく、様々なスポーツ障害を引き起こす原因となります。

運動後にクールダウンを行うことで筋肉疲労を防ぎ、スポーツ障害の防止へとつながります。習慣づけるよう心がけましょう。

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2.毎日の入浴で筋肉の疲労を蓄積させない

スポーツをした後の身体ケアは絶対に欠かせません。それは有痛性分裂膝蓋骨の発症を予防するためだけでなく、筋肉や神経の疲労をしっかりと回復することで、様々なスポーツ障害の予防となります。

入浴には「温熱作用」「水圧作用」「浮力作用」と3つの作用があり、スポーツ後の疲労回復に大変効果的なのです。

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3.バランスのとれた食生活

筋肉の質が落ちれば当然筋力は低下して、有痛性分裂膝蓋骨だけでなく、その他のスポーツ障害も発症しやすくなってしまいます。

毎日の食事で炭水化物やたんぱく質をしっかり摂ってエネルギー不足を起こさないようにしましょう。

また、靭帯、腱、骨、軟骨などを構成するコラーゲンやカルシウム、筋肉の緊張を抑えるミネラルなどをバランスよく摂取することが必要となります。

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4.靴やインソールは選手にとって大事なアイテム!

靴やインソールがスポーツをする子ども達にとって大切なアイテムだということは説明するまでもないでしょう。

体を支え、体の土台となる「足」の機能が低下すれば、骨格のバランスが崩れ、膝に過剰な負担が掛かるため、有痛性分裂膝蓋骨を発症しやすくさせてしまいます。

衝撃吸収力に欠ける靴やサイズの合っていない靴での運動は絶対に避けましょう。

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5.適度な筋肉をつける

有痛性分裂膝蓋骨の発症を予防するには、膝蓋骨への負担を減らすことが大切です。そこで効果的なのが太もも前面の大腿四頭筋の強化です。

筋力が適度にあれば、骨への負担や繰り返しのストレスを軽減してくれます。逆に筋肉がきちんと働かなければ、トレーニングによる骨の負担はとても大きくなってしまいます。

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6.疲労感を感じたら休むこともトレーニング

大事な試合前だったりすれば、精神的な焦りから多少の痛みがあっても、子ども達は、無理に練習を続けてしまいがちです。

しかしその結果、症状がさらに悪化してしまったり、膝の痛みをかばいながら練習を続けたことで、他の部位に負担が掛かり、違う部位の痛みまでも発症してしまうこともありえるのです。

もし、膝に違和感や痛みを感じた時は、思い切って休むことも大切です。

まとめ

今回は「有痛性分裂膝蓋骨の治療法と6つの予防法」についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

子ども達がスポーツをするうえで、競技能力の向上や体力の向上はとても大切なことですが、無理をしてスポーツ障害を発症してしまえば本末転倒。

スポーツ障害を100%防ぐことはできませんが、きちんと体のケアを怠らなければ、スポーツ障害を発症するリスクを減らすことはできるのです。特にジュニア世代で発症したスポーツ障害のケアを怠れば、将来後悔するようなケースもあります。

練習前後の体のケア、食生活など日頃から気を付けるようにしましょう。

Posted by kids-athlete