部活・スポーツにおける燃え尽き症候群の特徴と快復方法
こんにちは、メンタルトレーナーの葉月(@w_haduki)です。
子供達は達成感を得ることで、スポーツにどんどん熱中していくができますが、いくら努力しても結果がついてこなかったり、様々な精神的ストレスが原因となって、集中力や意欲の低下、食欲不振や睡眠不足などを引き起こすことがあります。
このような状態を一般的に「燃え尽き症候群」や「バーンアウト」と呼んでいますが、風邪や腹痛と違って明確な治療法も知られていませんし、何が原因でこのような状態に陥っているのかの判断が難しいために「どうしたらいいのか分からない」「何から頑張ればいいのか分からない」と辛い思いをしている子供は少なくありませんし、指導者や保護者の方から「どうしてこのような状態になってしまったんでしょうか」「時間が経てばまた頑張れるようになるのでしょうか」「どうすれば前のように意欲を沸かせてくれるでしょうか」と相談を受けることがあります。
燃え尽き症候群は間違った対応・対処をすれば悪化させてしまうことがありますし、正しい対応・対処をすれば早期快復が十分に期待できるものです。
そこで今回は「燃え尽き症候群の特徴と原因」に加え、 「燃え尽き症候群の快復方法」と「子供のために保護者と指導者がそれぞれするべきこと」について考えいきたいと思いますので最後までお付き合いいただければと思います。
燃え尽き症候群になるきっかけ
燃え尽き症候群(バーンアウト)には、なりやすい「時期」や「きっかけ」があります。
燃え尽き症候群は周りからみると「サボってる」「怠けてる」と思われ理解されないことも多くありますが、以下のようなことがきっかけで誰が陥ってもおかしくないものなのです。
部活動の引退
中学や高校で部活動を頑張ってきた子供たちに必ず訪れてくるのが「部活動の引退」です。
入学をした当初から部活動に打ち込んできた子供達にとって「部活動の引退」が一つの節目となりますが、自分の思った結果を残せなかったり、そこに後悔やスッキリしない何かがあれば、それが原因となって燃え尽き症候群に陥ることがあります。
また自分の目標や夢を達成できた場合でも、引退を期に今まで追いかけていた「夢」や「目標」がなくなったことが原因で燃え尽き症候群に陥るケースもあります。
挫折
スポーツ少年団や学校の部活動でスポーツをしている子供達というのは実に活き活きとしています。
夢や目標に向かって努力をする姿は見ていて実に気持ちがいいです。
しかし「夢」や「目標」に向かって頑張っているからこそ、その夢が「叶いっこない・・・」と絶望的になってしまったり、努力しても努力しても自分の理想とする形にならない時に燃え尽きてしまうことがあります。
人間関係のトラブル
サッカーやバスケットボール、野球などのチームプレイはもちろんのこと、陸上や水泳の個人競技だって自分ひとりでスポーツを行っているわけではありません。
そこにはコーチや顧問、チームメイトがいます。
その中でお互いが助け合ったり、勝利の喜びを一緒に分かち合ったりなど、良い部分がある一方、顧問によるパワハラやプレッシャー、チームメイトとの信頼関係など、精神的なことが原因となって燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥ることがあります。
燃え尽き症候群の特徴
燃え尽き症候群(バーンアウト)になってしまうと、以下のような症状が現れ、スポーツへ前向きに取り組むことができなくなってしまいます。
集中力・意欲の低下
最初に感じる不調の多くが「集中力の低下」になります。
戦う前から勝敗が明らかな場合や、大事な試合をやり遂げた直後などは、気の緩みから一時的に集中力を低下させてしまうことがありますが、燃え尽き症候群になればそのような状態が継続的に続いてしまいます。
選手も自分の中に生じた異変に気づいても「なぜ集中できないのか」「なぜ意欲が沸かないのか」「いつになったら前向きになれるのか」という先の見えない不安で精神状態を不安定なものにしてしまいます。
イライラ・気分の落ち込み
燃え尽きるまでにかなりの我慢とストレスを抱えていた場合は、今までに抑えていた気持ちやストレスが溢れ出して感情的になってしまうことがあります。
やり場のない「不安」や「恐怖」から周りの人にイライラした態度をとったり、急に涙が出てきたりと情緒不安定になってしまいます。
この不安や恐怖感は「今の自分では周りにも迷惑をかけてしまう」「今の自分ではチームにいる意味がない」など自己否定からくることが多く、今の自分を受け入れることができず、本人の意思とは関係なしにやる気が低迷し、精神的にも肉体的にも辛い日々となってしまいます。
部活や学校を休みがちになる
人には危険を察知する能力や自分を守ろうとする防衛本能が備わっています。
そのため無意識のうちに、これ以上のストレスを避けるため、これ以上のエネルギー消耗を防ぐため、人と関わることに消極的になってしまうことがあります。
生活の大半をスポーツが占めていたという子供は特に、今の状態を受け入れることができず、チームに対する罪悪感や居心地の悪さから学校や部活動を休んだり、部活や学校へは行くけれど、それ以外の時間ではなるべく関係者と関わらないですむように、指導者やチームメイトとの距離を置くようになります。
頭痛・胃痛・腹痛
自律神経を乱してしまうことが原因となって、頭痛・胃痛・腹痛など心だけでなく、体にも不調をきたしてしまうことがあります。
燃え尽き症候群になりやすい子の特徴
何でも物事を完璧したい子や責任感が強すぎる子、勝ち負けに対する拘りが強い選手は燃え尽き症候群になりやすいと考えられています。
何でも物事を完璧したい子は、物事が順調に進んでいる時には「高い成果」をあげることができますが、小さな失敗や挫折をきっかけに一気に気力を失ってしまうことがあります。
そして「何でも完璧にしたい子」や「責任感が強すぎる子」に共通しているのが、自分に厳しすぎるということ。
「目標がきちんと実行できたか」「ルールがきちんと守れているか」「達成期日を守れているか」などと気を張りすぎれば本来の楽しさを忘れてしまいます。
人生においてもスポーツにおいても失敗や挫折はつきものです。思うようにいかないのがスポーツだし、だからこそみんな努力するのです。
子供達がスポーツをしていく中で、自分自身の失敗を許してあげる事、自分の努力や成果をしっかりと認めてあげる事は、心のバランスをとるためにとても大切なことなのです。