スポーツをする子供の挫折|大きく影響する親のあり方とは
子供の挫折と親の言葉かけ
スポーツ少年団や学校の部活動で挫折する一番多くの原因が、「レギュラーから外された」「選抜チームから外された」というものです。
ずっと第一線で活躍してきた選手であれば尚のこと悔しいし辛い経験だと思います。
特に男子が中学生になった時、体格にも差が出てきますし、小さかった選手が予想以上に大きくなったり、大きかった選手の成長が思ったより伸びなかったというケースも珍しくありませんし、中学になって突然能力を発揮する選手も少なくありません。
そのため、今まで感じたことのない劣等感や敗北感を感じて心が折れてしまう子供もいます。
そこで私がいつも保護者の方にお願いしていることは
- 自分の子と他の選手と比べて批判しない
- 結果に対して否定的な声かけをしない
この2点です。
これはどの選手にも例外なく、他人と比較して振り回させる選手は成長しません。しかし周りの大人から比較されれば、子供が気にするようになってしまうのは当然のことです。
保護者の方は常に「目の前の子供自身」を見て声をかけてあげるべきではないでしょうか。子供達はそこで「安心感」を得られることができれば、また前向きに進めるようになるはずです。
自己肯定感が高いのに挫折してしまう子は・・・
自己肯定感もチャレンジ精神も旺盛で、何に対しても行動的で前向きに取り組めるのに、最後までやり抜く力がなく、夢が夢のままで終わってしまう子も少なくありません。
自分で目標を掲げたり、スタートラインに立つ意欲や能力はあるのに、いざ走り出していいところまできても、辛い現実にぶつかると心が折れて諦めてしまうというケースはすごく残念なパターンです。
このパターンの主な原因は、スタート時点で抱く夢や目標に問題があるのではなく、それまでのプロセスに問題があることが考えられます。
ただ「プロになりたい」と漠然な夢だけで前へ進んでも、自分がその夢に対して近づいているという確信が持てなければ、モチベーションを保つことが難しくなってしまいます。
このパターンで挫折する子は、大きな目標を達成するための「さらに細かな目標」を立てることをオススメします。
下記の記事で「目標設定の方法」についてご説明していますので、参考にされるとよいかと思います。
挫折を乗り越えた3人のトップアスリート達
トップアスリートと呼ばれる選手たちは一見華やかに見えますが挫折を味わっていない選手は存在しません。
今回は「マイケルジョーダン」「本田圭佑」「桑田真澄」の3人のトップアスリートの挫折についてお話したいと思います。
マイケルジョーダンの挫折
画像引用元:http://tunadrama.com/
ジャンプの滞空時間の長さから、「エアー・ジョーダン」という愛称で愛され、バスケットボール界の神様と評されたマイケルジョーダンですが、彼も高校時代に「選抜チームから漏れる」という大きな挫折を味わっています。
マイケルの身長は当時180cm足らずで、ずば抜けて高身長というわけではなく、選抜で選ばれたのは、当時身長が196cmあった「リロイ・スミス」でした。
選抜チームから漏れたマイケルは、家に帰って一日中、泣いていたといいます。
しかし、マイケルはその時、この挫折をばねに「最高のプレイヤーになる」ことを決断しました。その決断がのちに「バスケットボール界の神様・マイケル」を生みだしたのです。
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挫折を踏み台にした桑田真澄
画像引用元:https://yoshilover.com/
ジャイアンツの練習グランドには、2軍選手が敬意を込めて「クワタロード」と称した1本の道がありました。
グランドの芝生の縁に沿って、ひと筋にきれいに芝が抜けているその道は、胸のケガのためにボールを握れなかった2年間、桑田さんが毎日黙々と走り続けたコースでした。
投手でありながらボールを握れない2年間はとても辛かったと思います。多くの人は、「絶望感」「恐怖感」「不安感」に襲われ投げ出したくなるのではないでしょうか。
それでもケガを克服し、再びマウンドに立った桑田さん。「自分の将来」を信じて自分の今やるべき努力を黙々こなしていった結果なのでしょう。
中学時代に味わった本田圭佑の挫折
画像引用元:https://blogos.com/
イタリアの名門ACミランに日本人で初めて所属し、10番を背負うなど日本サッカー界にとって欠かせないプレーヤーとなった本田圭佑選手も中学時代に大きな挫折を味わっています。
当時の本田選手は強豪のガンバ大阪ジュニアユースに所属しており、一つ上のユースチームへのセレクションを受けることになりますが、これが不合格。
しかし、これをきっかけに「絶対にプロにならねばならない」と志をより強固なものにし、高校卒業時に名古屋グランパスエイトと契約します。
その後は2008年に海外へ渡り、ついには「セリエAの10番になる」という小学校の卒業文集に書いた夢を叶えました。
まとめ
今回は「スポーツをする子供の挫折|大きく影響する親のあり方とは」についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。
挫折を辞書で調べると「目的を持って続けてきた仕事などが途中でだめになること」とありますが、挫折とはそれほど悪い経験ではありません。
むしろ長い人生において、 挫折ほど大切なことに気づかせてくれる機会はないのです。
ただ長い人生で一時の挫折とはいえ、挫折を味わっている本人にとっては辛い時期であることは確かでしょう。
「もう駄目だと」絶望的になったり、「やってられるか」と投げやりになったり、その辛さは本人にしか分かりません。
しかしそれをかっこ悪いだとか、惨めだとか感じる必要はありませんし、周りからの評価に振り回される必要もありません。
挫折とは、何かひとつの事に一生懸命に取り組んでいれば必ず誰もが経験するものなのです。
そのことを子供達へ伝えてあげることが、私達大人にできることではないでしょうか。