スポーツをする子供のメンタル強化と親が守るべき7つのルール
ルール5.子供の夢を大切にしてあげましょう
子供達がスポーツをするうえで「目標」を持つことは素晴らしいことだし、やる気を高めたり頑張るためとても大切なことです。
しかし現実は目標が定まっていなかったり、自分が本当に望んでいることは何なのか…と迷っている子供も少なくありません。
そのよう時は「どんな自分になりたいか」「最終的な夢」を子供自身にイメージさせることが大切で、たとえ子供が「プロになりたい!」「全国制覇!」など大きな夢を語っても決してバカにしたりストップをかける声かけをしてはいけません。
夢は希望で、希望はやる気の源です。そもそも夢を抱けるだけでそれは素晴らしいことですし、その時点で可能性は「0%」ではなくなるわけですから、イメージできることが何より大切なのです。
その中で「夢を叶えるまでの課題や目標」をクリアしていき、子供達は日々たくましく成長していけるのではないでしょうか。
ルール6.不平不満は控えましょう
スポーツの世界は、幼稚園の運動会やお遊戯会のように「みんなが主役」というわけにもいかず、そこではレギュラー争いや競技能力の伸び悩みなど、親の期待通りにはいかないことも多くあります。
そして頭では理解しても「思考」と「感情」が一致しなければ、人は不平不満を抱いてしまうことがあります。
- 「なんで俺ばっかりが怒られるんだよ」
- 「どうしてあいつがレギュラーなんだよ」
- 「あいつの失敗で負けてしまった」
- 「あいつがいなければ勝てたのに」
このような不平不満が多い子供は必ずと言っていいほど成長しませんし、このような習慣はお父さんやお母さんの影響も少なからずあるケースが多くみられます。
- 「こんなに応援してるのに、どうしてレギュラーになれないの?」
- 「あの子のミスがなかったら流れは変わったのにね…」
- 「コーチの采配おかしいんじゃない?なんであの子がレギュラーなの?」
つまり、お父さんやお母さんが無意識に不平不満を子供へ言っている可能性があり、このようなことだけではなく、特にネガティブなことは子供に連鎖しやすいので注意が必要です。
不平不満をやめるには「発想の転換」が必要になりますが「転んでもただでは起きぬ」が大切です。
私がメンタルケアを行った子供に、その「転んでもただでは起きぬ」を実行した中学生がいますので、お話ししたいと思います。
不満・悩み・辛さを乗り越えた先にあるもの
これは、私が子供達のメンタルケアに携るようになって、1年目に出会った少年のお話です。
その少年が小学生の頃は、指導者からの度重なる威圧的な指導のせいで、自分らしいプレーができず「悩み」「迷い」だらけのミニバスケットボール人生でした。
実力は十分にあるのに失敗を恐れて挑戦ができない、コーチが怖くて自分の意見を言えない。好きでしているはずのバスケが嫌になり、真剣にバスケをやめようと考えたこともあったそうです。
しかし、その指導者のおかげで彼は中学進学前に大切なことに気づいたと言います。
バスケは誰かにやらされて上達するものでもないし、自分が心から楽しんでいなければ意味がないと。
それに気付けたのは彼が真剣に悩み、真剣に取り組んできた結果だと思います。
彼が所属していたミニバスケットボールクラブのほとんどの選手は、チームとも深く関わりのある外部コーチが指導している中学校へ進学しましたが、彼はミニバスの時と同じようなバスケはしたくないと1人地元の学校へ進学しました。
そしてその2年後、彼は県代表として4番を背負って「ジュニアオールスター」に出場することができました。
彼は「ミニバス時代が一番辛かった時期でもあったけど、あの時の自分がいなければここまで頑張れなかったから、結果的に良かった。ミニバスのコーチにはたくさんのことを教えていただいたと思っていますし、そして何より、母が辛抱強く僕を支えてくれたことに感謝です。」と話してくれました。
こうして考えると「何が良くて、何が悪い」というのは、自分の思考や行動次第ということが改めてよく分かります。
もしも彼が、環境や指導者に不満を抱くことでしかバスケと向き合うことができなかったら、このような結果を残すことは難しかったでしょう。
ルール7.子供の挫折と親の関わり方
子供達は「失敗と成功」「挫折と奮起」の繰り返しで心(メンタル)を強くして成長していきます。
どんなに素晴らしい選手でも「失敗と挫折」を味わっていない選手は存在しないでしょう。
もちろん親として、子供が失敗をする姿や挫折を味わって苦しんでいる姿は、できれば見たくないというのが本音だと思います。
しかし子供の調子が悪いからと指導者の悪口を言ったり、子供を責めることは絶対にするべきではありませんし、親が先回りして子供の手助けをしてあげることもやめておくべきです。
たとえば、いつまでも運動靴の紐を親が結んであげていたら、子供はずっと結べないまま成長していき、いずれみんなの前で大きな恥をかくことになります。
それと同じで、試練を乗り越える権利を親から奪われて育ってきた子供は、スポーツの世界でも、社会に出てからも「試練」を乗り越えることができない大人になってしまうかもしれません。
子供達が自分自身でメンタルを整えて、前へ進んで行けるように見守ることもペアレーチングのひとつではないでしょうか。
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まとめ
今回は「スポーツをする子供のメンタル強化と親が守るべき7つのルール」についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。
子供達が成長していく中で、お父さんやお母さんの関わりは良くも悪くも大きく影響します。
親が子供を愛することは当然のことですが、子供を思えば思うほど、親は時に向かっていく道を間違えてしまうことがあります。
しかし、それは誰にでも起こりうることだし、ただ頑張りすぎているだけ。そんな時は肩の力を抜いて子供の「笑顔」を一番大切にしてあげればいいのではないでしょうか。