子供がスポーツを辞めたいと言ったら、親や指導者はどう考えるべきか

野球の試合をする少年

スポーツをしている子供達は、勝つことの喜びや達成することの喜びを体験できる反面、チーム内での問題や、指導者との問題、競技能力の問題などで悩みを抱え、今しているスポーツを辞めたいと考えてしまうことがあります。

そんな時、大人達は何と声を掛けることが子供にとって最善なのでしょうか・・・。

今回は「子供がスポーツを辞めたいと言ったら、親や指導者はどう考えるべきか」についてお伝えしたいと思います。

辞めたい子供vs続けさせたい親とコーチ

好きでしていたはずのスポーツが辛いものでしかなくなった、スポーツをする意義が見えなくなった、誰のために何のためにきつい思いをしているのか分からなくなった、そもそも自分には才能がないのではなかろうか・・・などと、スポーツを続けていれば誰しもが一度はぶつかる壁かもしれません。

こんな状態が続けばもう辞めてしまいたいと考える子供もいるでしょう。

では、子供達がスポーツを辞めたいと言った時、お父さんやお母さんはどのような言葉かけをしてあげたと思いますか?

「せっかく今まで頑張ってきたのに・・・もう少し頑張ってみたら?」

「今辞めたらきっと後悔するわよ」

「自分からしたいって言ったんでしょ?」

「途中で投げ出すなんて許さないわよ」

などと言いたくなるのではないでしょうか。

そして指導者であるコーチや顧問の先生もそうです。

「辛いからって投げ出すのか?お前は社会に出てからもそうするのか?」

「勝つために辛いのは当然だ」

「楽しいだけで勝てるほど甘くないぞ」

「気持ちをもっと強く持て」

と指導者が選手へこのような言葉を掛けている場面を実際に見ることがあります。

さて、その言葉掛けは正しいのでしょうか・・・。



辛さを耐えて勝利に拘るのはプロがすること

もちろん、スポーツは楽しいだけじゃ勝負に勝てないし、楽しいだけじゃ強くなれません。

しかし、今しているスポーツが辛く苦しくなった時点で、子供達はスポーツをする意義を見失っているのです。

これは高校でバスケットボールをしていた選手のお話です。

彼は小学生からバスケットボールを始めて、中学ではキャプテンも務め、最後の夏の大会では優秀な成績を残しましたし、ご両親も彼がプロになってくれる事を望み、熱心に応援していました。

しかし、彼のバスケットボール人生に大きな狂いが生じたのは高校へ進学してからです。

顧問による体罰が続き、彼は心も体もボロボロになってしまったのです。

指導者から触接殴られたりすることはありませんでしたが、顧問は練習の一環としてミットにぶつかるというメニューを彼だけに与えました。

ミットを持った顧問が彼に向かってぶつかり、彼もそれに向かっていくというメニューです。

そのメニューのせいで彼の肩から手首にかけてはアザだらけだったと言います。

それは紛れもなく体罰と言っていいでしょう。

彼は結局、高校2年生になった春に退部届を出すに至りました。

顧問からは「辛いからって逃げ出すのか」「お前は勝ちたくないのか?」「勝つためには辛い事を乗り越えなければ強くなれないぞ」と言われ続けたそうですが、彼が最後に顧問へ言った言葉は「バスケが嫌いになりました。もう勝ちたいとかそんな感情は湧きません」という言葉でした。

顧問は彼を辞めさせようとしてミットのメニューを与えたわけではなく、彼の心と体を強くしたくてメニューを与えたことには間違えないでしょう。

しかし、健全な精神力は健全な体でなければ保つことができません。

精神力は無理やり鍛えようとして鍛えられるほど単純なものではないのです。

それどころか、この彼のように、心も体もボロボロにされてスポーツを辞めてしまうケースがあるのです。

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辞めてはいけない理由を押し付けない

彼のように、子供達が今まで続けてきたスポーツを辞めたいと口にした時、それまでにかなり苦しんでかなり悩んできたはずです。そして、その原因の多くがメンタルの消耗でしょう。

たとえ、練習が辛いと嘆いたとしても、目標や夢、なりたい自分をイメージすることができていれば、辛い練習にも耐えられるものです。

指導者や親が「社会に出てからは、”辛いことはしたくない”は通用しないぞ」などと、辞めてはいけない理由でスポーツを続けさせようとしても、また同じような悩みを抱えてしまう可能性が高くなってしまうでしょう。

いくら大人が正論を並べたところで、子供のモチベーションを保つことはできないのです。

子供達がスポーツを続けていくうえで本当に大切なことは、辞めてはいけない理由で続けさせることではなく、自分自身が辞めたくない、続けたいと思える希望や夢、なりたい自分を持って前へ進むことなのです。



親の役目とは

子供達が成長をしていく中で、悩むことや迷うことは多くあるだろうし、失敗や挫折も含めて様々な体験をしていくと思います。

その際に親がしてあげられることは、進むべき道を教えてあげることでもなければ、転ばないように手を握ってあげることでも、転んだ我が子を抱きかかえることでもありません。

子供が転んでも自分で立ち上がれる「強さ」と「自信」を持たせる言葉かけをしてあげることなのです。

そのためにも、子供を否定するような言葉かけをしてはいけません。

伝えている意味は同じでも、言葉のチョイスで受け取る側の思いは大きく変わってしまうものなのです。

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続けることだけにこだわらない

「継続は力なり」という言葉がありますが、私も本当にそうだなと思います。しかし、続けることにこだわりすぎて本来の楽しみや意義を見失っては、ただ辛いだけです。

長い人生に辛い経験もあって当然ですが、その裏では子供が納得しているのか、子供の欲求が満たされているのか、先に見える景色に希望を抱けているのかと言うのは、とても大切なことです。

それを完全に見失って、違う新しいものに希望を向けているのなら、行先を変えるのもひとつの方法ではないでしょうか。

大切なことは、子供自身が前向きであるか、次へのステップが見えているのか、希望に満ち溢れているのか、という事だと思います。

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